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錆びた蒼い機械甲冑
Y:理不尽な騎士
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やられっぷりを見てそうだとはだと思っとたが……実際言われりゃきついな」


 そこでキリトはおかしな事に気付く。今まで構えていた機械騎士が、不意に構えを少しといたのだ。そしていきなり背中のブースターを吹かすと、目にも止まらぬ猛スピードである一点に向かっていく。
 そこに居たのは、この状況に耐えられなくなったのか、クリスタルを使って脱出しようとしている一人のプレイヤーが――――



(まてよ……!? 噂では“クリスタルを狙って破壊した”って……まさか!?)



 キリトの不安は見事に当たり、騎士はクリスタルをそのプレイヤーからもぎ取って握り潰し、おまけだと言わんばかりにそのプレイヤーを蹴っ飛ばした。周りに居た者達も、蹴り飛ばされたプレイヤーに巻き込まれて転がる。
 騎士は再びブースターを吹かしたかと思うと、別のプレイヤー達からもクリスタルを奪い取って粉々にし、体当たりや投げナイフを置き土産に繰り出した。


「マジかいな……!? あの噂は本当だったんか……!」


 驚愕するキバオウだったが、すぐに周りの者達に指示を出した。


「ええか、クリスタルは極力使おうとすんなや! どうやらそいつは“クリスタル破壊”を優先するボスのようやからな!!」


 その言葉に絶句する者が殆どだったが、だからといって腐っていても仕方ないと体力がまだある者は武器を構えて数歩前に出、無い者はポーションを咥えて後ろに下がった。


 キリトは、せめてボスの動きをある程度でも見極められれば……とポーションを咥えながら、他のプレイヤー達と戦っている機械騎士を見ていたが、分かるのは機械騎士が相変らず強いという事ばかりで攻略の糸口は中々掴めない。
 このままでは、全員のポーションが尽きるのも時間の問題だろう。扉から逃げるとしても、この蒼錆色の機械甲冑が無事に逃がしてくれる保証は何処にも無いのだ。
















 戦闘開始から約五十分半。



 懸念していた事が起きてしまう。ポーションが尽きた者が遂に出始めたのだ。
 今は間違いだったフロアボス情報の為に解毒Potを大量に買い込み持ち込んだ為、何時もより回復POtが少なかったせいで予想以上に早くポーション切れが起きてしまったようだ。
 しかし機械騎士が毒攻撃をしない、という訳でもない。彼(かどうかは分からないが)が投げる投擲用ナイフには、時々麻痺状態を引き起こす毒が仕込んであるらしく、その所為で麻痺してしまって他のプレイヤーへの盾に使われた者や、そのまま打っ飛ばされた者も居る。

 そうこうしている間にも次々と、ポーションが尽きて行くプレイヤーが続出し、負の流れは止まらない。


「エギル! 動ける
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