【七つの大罪】フォックス・シンの欲しいもの
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死者の都――
ここは死者が住まう、命ある者が訪れるはずないの場所。
バンは死者の都に入るやいなや、突然走り出した。
そして全身の神経を研ぎ澄ましながら、もうこの世にはいない聖女を探す。
「いないのか? ここでなら会える気がしたのによ」
バンは革パンのポケットに手を突っ込みながら、髪を無造作に掻いて溜息をつく。
「残念そうね、バン」
背後から聞こえた声に、バンは目を見開いた。
「ハッ、別に残念じゃねーさ。もののついでに来たんだ、ここにはよ」
「ついで?」
「ああ、団ちょたちが俺らのつれ……キングって奴をよ、死者の都に探しにきたんだ。これがついでの方だ。俺の本当の目的はよぉ」
バンは後ろを振り返り、目の前にいる少女に言う。
「おまえに会いにきた」
少女はバンの胸に飛び込む。
「バン! バンッ! バンンンッ!」
バンは少女の頭を優しく撫でながら、意地悪い笑みを浮かべて言う。
「エレイン、それじゃガキんちょだぜ。生命の泉を守ってた聖女の威厳ってもんがまるでねーぜ」
「いいもん! ガキんちょでいいもん! バンよりも年上な姉さんガキんちょでいいもん! 今はとにかく嬉しいの! バンに会えて本当に嬉しいの! 嬉しいよバン!」
「ハッ、ちげーねぇな」
バンは胸の中で甘えているエレインの顔を上げさせる。
目にいっぱいの涙を溜めて、嬉しい気持を包み隠さず見せつけるエレイン。
「ん……」
バンはエレインの顎をクイッと持ち上げ、唇を重ねる。
そしてバンは大胆にエレインの中に侵入する。バンの長い舌がエレインの舌に触れる。
「んんッ」
バンの舌はエレインの舌を優しく撫でた。
バンに舌を撫でられていると、とても温かな気持ちになってくる。
エレインはバンの舌を求めるように、自分の舌を絡めて撫で上げる。
「おまえって結構本能的で野性的なのな。普段は大人しそうなくせして、いざってときには本性剥き出しにするってのはよぉ、自分に嘘がなくて好きだぜ」
エレインはバンの首に腕をまわし、バンに抱きつく。
「野性的なのはバンでしょう? バンには嘘がないもの。自分に嘘がないし、他人にも嘘がないの。私ね、そういう偽らない、偽ろうともしないバンに出会って、私も正直でいようって思ったの」
「そうか……」
「そうだよ、バン。私は自分に嘘をつかない、もう自分を隠さないよ。だからね……好き! バンのことが好き! 私はバンが大好き!」
エレインは小さな舌でバンを求める。
バンの舌を舐め、バンの口裏を舐め、バンの頬の裏を舐める。
「そうか…
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