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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第210話】
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れて笑った。


「あははっ、そうだな♪ 絶対あいつは耳鼻科受診すべきだよな!」

「あぁ。 又は補聴器するかしないとな。 ……じゃあ寮に行こうぜ?」

「あ……ぅ、ぅん、そぅだ……な」


 さっきとは一転、急にしおらしくなった栗原は俺の一歩後ろから着いてくる形で一緒に寮へと向かって行った――。


――寮の玄関――


 到着すると、傘についた水滴を落としてから寮に俺も栗原も入る。


「しかし……久しぶりに雨が降ったな、ここ」

「……だな。 俺、雨女じゃなかったはずなんだけどなぁ……」


 玄関から外を見ると、雨が本降りになったのかザァザァと激しく雨音を立てていた。

 雨音が奏でる旋律――と言えば聞こえはいいが、残念ながら不快指数が上昇するだけで有り難くはない。


「な、なあ有坂」

「ん? どうした?」


 急に呼ばれて何事かと思い、隣に居た栗原へと視線を移すと、後ろに手を組みながら――。


「き、今日の俺の格好……に、似合わないよな? ……女の子過ぎて」

「……何でそう思うんだ?」

「ほ、ほら……俺って、言葉遣い男みたいだろ? そ、それなのにこんな格好――」


 そんな卑下する言葉を遮る様に、俺は言葉を口にする。


「関係無いだろ? 言葉遣い何か気にするなよ。 栗原、似合ってるし可愛いぞ?」

「……ッ!? か、かわっ……!?」


 ボシュッという音と共に顔が真っ赤に染まる栗原は、ころころと目まぐるしく表情が変化していった。


「おいおい、聞いててそれかよ? ……あまり言われないのか、地元の男の同級生とかに」

「あ……お、俺の居た中学校は女子校だったから……。 あ、兄貴には可愛いって言われるけど……他の男の人に言われたのは……お、お前が初めて……かも……」


 気恥ずかしさからか、後ろを向くと栗原はスカートの裾を掴んで落ち着かなさそうにするが――。


「〜〜〜〜っ! ほ、ほら! 早く部屋に行くぞ、バカヒルトッ!! ……そ、それと、これからは俺の事は理央って呼べよなッ!!」


 くるりと振り返ると、ふわりと舞うスカート。

 残念ながら下着が見えないのはそういうものだと思いつつも、栗原が俺の事をヒルトって呼んだのも気になり――。


「き、急にどうした?」

「な、なんだよ? 俺だって下の名前で呼びたかったんだ! 文句あるのかッ!!」


 ビシッ!と指を指す栗原は、顔を赤くしたまま目を吊り上げていた。


「いや、文句はないが――……まあいいか、じゃあ気軽に理央って呼ぶよ」

「ぉ、ぉぅ。 ……へへっ。 ほら、ヒルト。 ちゃんと最後まで手伝えよなっ」


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