第五十五話〜相性と意地〜
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触れたようにしか見えない。
それを映像越しに見ていたジェイルは一つため息をつき、ライに語りかけた。
『君が壊れるのは勝手だが、君は僕にまだ教えてないことがあるだろう』
ジェイルの言葉に反応するようにライは立ち上がる。
『君が僕をゆりかごにいるように誘導するために、Cの世界についての情報を僕に教えたのは理解できた』
ジェイルの言葉に大きく反応したのは、ジェイルと同じ部屋にいたなのはとフェイト。彼女たちはライがジェイルに情報を――――しかも、存在自体が危険であるCの世界についての詳細を渡しているとは思わなかったのだ。
『君の思惑通り、僕はここに残りCの世界についての調査を始めた。だが、それらしい施設は見つけることができてもそれに干渉する事はできない……君は僕に嘘をついたのか?』
「………嘘はついていないさ」
ヴィヴィオに向かい合うようにライは立つ。だが、先程まであった凛々しさはバリアジャケットを濡らす血のせいでなりを潜めていたが。
「聞かれなかったから答えなかった……ただそれだけだ」
『詐欺師の――いやこの場合は子供の理屈というのかな?』
「確かに貴方に教えなかった情報の中には、Cの世界に干渉する上での最低条件は含まれていなかった。だがその方法はこの世界にいる限りでは絶対に条件を満たすことはできない」
ライは以前の取引でジェイルにギアスの存在は教えても、それの取得条件である『コード』保持者との接触、そして不老不死者である『コード』持ちの人物の詳細は明かしていなかった。C.C.のことはもちろんとして、ライ自身が自分と契約した人間の情報は摩耗した記憶からサルベージすることができなかった事も原因の一つではあるのだが。
「それを教えなかった事に意図があったことは認めるさ、だが――与えられるだけなら生きていることにはならないだろう、<無限の欲望/アンリミテッドディザイア>?」
ある人物を彷彿させられる物言いであった事に、内心不満であったライであったが、この言葉で一応の納得の態度をジェイルが見せた。何故なら<無限の欲望/アンリミテッドディザイア>であるジェイル・スカリエッティにとって知ること、知ろうとする知識欲は人間が呼吸をするのと同じで彼にとって至極当然のことなのである。だが、それを知る過程においてジェイルの科学者としての一面として自分の力で知ると言う事は大きな意味を持っていたのである。
『ふむ、それについては納得しておくとしよう。それではもう1つ尋ねるが、今の君はとても不利に見えるのだがね?まだ続けるのかい?』
「生憎と諦めは悪い方なのでな。それにまだ手はあるさ」
そう言うとライは片手を地面に付け前傾姿勢になり、一見するとスプリンターを彷彿とさせる態勢をとる。
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