第五十五話〜相性と意地〜
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グナムはライの伝言が何かを瞬間的に予想した。「もしや対ナイトメアフレームについての戦略か?」と考えた彼女であったが、アギトから発せられた言葉はシグナムの予想の斜め上に行く。
「『烈火の将と烈火の剣聖が揃っていて、ナイトメアフレーム如きに負けるはずはない』だってさ」
言った本人が恥ずかしかったのか、少し顔を赤くしプイッと顔をそらすアギト。シグナムは彼女の言葉に今度こそ本当に笑った。
「ハハハハ!そこまで期待されているのだ、これは手を抜けないな」
シグナムは今とても愉快であった。たった数ヶ月の付き合いで自分がここまで信じ、信じられることのできる相手と出会えたことに。
「さて、行くか!」
シグナムの言葉に頷いて見せたアギトはレヴァンティンに触れる。そして2人は声を揃えて叫んだ。
「「ユニゾン、イン!」」
叫びと共に光が放たれ、それが収まるとそこには炎の翼を広げた騎士がいた。
「行くぞ、悪夢の名を関する人形共」
そして彼女は戦場を駆け始める。自分が認めた男からの言葉を後押しにして。
ゆりかご・聖王の間
油断はなかった。この世界に来てから知り、学び、力として受け入れた魔法と言う戦闘方法を使い、今回も戦っていた。
ライは自分を強いと思ったことはない。ただ、彼は自分と相手の力量を測りその上で自分にとっての最良の結果を引き寄せる事をしているだけである。
だが、だからこそライにとって今のヴィヴィオとの相性は最悪であった。
『聖王の鎧』
全ての物理、魔法攻撃に対してオートガードを働かせる鉄壁の守り。それを身にまとったヴィヴィオに近づいたライは自分の攻撃を全て防がれ、カウンター気味の一撃をもらい、今に至っていた。
ライの戦闘における魔法運用の基本は『長時間の魔法戦闘を行う為に効率的な魔力消費を行う』である。簡単に言えば、魔力の無駄遣いを可能な限り削ぎ落とし、敵に対して必要な分だけの魔力を使うというものである。
なので、強力に見えるライのヴァリスを使った射撃魔法も、実はガジェットのAMFを破り最小限の破壊しかしないようにしている為、魔力弾はガジェット本体を貫通しなかったりするのだ。そう言う意味では、威力だけで言えばティアナの方が強力な射撃を行っていることになる。
そして、基本的には敵の攻撃は受けること無く避ける方針であったライのバリアジャケットは必要最低限の防御機能しか持っておらず、今現在溢れ出るほどの魔力の籠ったヴィヴィオの攻撃はライにとっては一撃で致命傷足りえた。
「………反応時間……魔力発動………タイムラグ…………反応量………………単発での反応時間……」
座り込んだ状態でブツブツと何かの言葉をつぶやき続けるライ。それは第三者から見れば、気が
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