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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十五話:ルラフェンの町の名物たち
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丈夫、スラリンは、そのままで。いてくれるだけで、癒されるから。そのままのスラリンでいて欲しい」
「ピキー!」
「……ドーラ。一人で行くなよ。ちょっと確認とか言って、離れて歩くな」
「……わかった」
相変わらずヘンリーにしっかりと腰を捕まえられた状態で町をぐるぐると歩き回り、途中で会った町の人に話を聞いて回ります。
「魔法の研究をしてる、じーさんかー。このケムリは、そのせいだってさー」
「古代の魔法を復活させるんだって!面白そうだね!旅の役に立ちそうだし、会いに行きたいな!」
『……あたしはこのケムリ、ちょっと苦手だけど。でもドーラちゃんが行くなら、あたしも行く!』
「……また、じいさんか。気を付けろよ、ドーラ。迂闊に近付くな」
「大丈夫だよ!きっとポートセルミのモンスターじいさんみたいな、研究熱心な人だって!」
未来の『私』も、特に何も言って無かったし。
そんな心配するようなセクハラじいさんでは、きっと無いって!
途中にあった武器屋で、鞘もしっかり手に入れて。
ひたすら道に迷ってる、ベネットじいさんに次ぐこの町の名物的な戦士さんともすれ違います。
「参った!道に迷ってしまったようだ!どうもこの町は複雑で、困ったものだよ!」
気さくに声をかけてきてくれたので、答えようとしますが。
「ど」
「どこか、行きたい場所でもあるのか?と言っても俺たちもこの町は初めてだから、案内は出来ないが」
また、ヘンリーに遮られました。
ナンパっぽくも無く普通に声かけてくれる男性とか貴重なんだから、たまには話すくらいしたいんだが。
こんなにガッチリ男に腰抱かれてる女をわざわざナンパする人も、あんまりいないだろうけれども。
あからさまに私との接触を妨害された形になったのに特に気を悪くした様子も無く、戦士さんがヘンリーに答えます。
「いや、そういう訳でも無いのだが。少し腰を落ち着けて、この辺りで経験を積もうと思っていてな。しばらくいる町だから慣れておこうと思って歩き回ったら、このザマだ」
「そうか。……方角くらいなら、教えられるが」
なんだ、その気の進まない感じの申し出は。
いい人っぽいからあんまり冷たくもできないが、できればさっさと別れたいみたいな。
ちょっと、失礼じゃないか。
そんな失礼なヘンリーの対応にもやはり気を悪くするでも無く、また戦士さんが答えます。
「いや、それには及ばない。迷いながらでも歩き続ければ、そのうちどこかには着くだろう。邪魔したな、では私はこれで」
「そうか。じゃあな」
迷ってるという割に颯爽とした足取りで、戦士さんが去っていきます。
そっちは行き止まりだったと思うが、まあいいや。
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