Introduction
第四話 欠陥機
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て送ってくれた。ヘッドギアタイプの端末を装着し、自身のISに接続することで事前に入力したデータをもとに戦闘シミュレーションを行うことができる。
もちろん所詮はシミュレーションだけど結構よくできていて、視界はもちろんハイパーセンサーなどもデータに合わせて敵や攻撃がそこにあると"誤認"させることで実際に戦闘している状態を再現する。攻撃を受けた場合、その部位のシールドエネルギーに無理矢理干渉し、衝撃を引き起こす。もちろん威力に合わせてエネルギーも減少する。
つまり、データさえあれば一人で世界中の最新鋭機に乗った国家代表とも戦える。
……これってよく考えなくてもけっこうキケンな代物なんだよね。
いや、何がキケンって……プリインストールで現時点で開発済みの機体データが未公開情報も合わせて網羅されちゃってることだよ! 何サラッと全世界の敵に簡単になっちゃうような国家機密データを一学生のところに送り込んでるのさ! これを持ってることがバレたらきっとスパイ容疑やらなんやら掛けられるのは間違いないな……。
ちなみにシミュレーションの結果は全戦全敗ですけどね! 打鉄にすら負けましたよ? だって、搭乗者データが千冬さんしかインストールされてないんだもん!
手動で他の搭乗者データを入れようとしたら
『まずはちーちゃんを倒さないと変更できないよ、頑張って!』
というありがたくないシステムメッセージに遮られて出来なかった。永遠に無理な気がする。
ともかく、それを踏まえれば下手な候補生より戦闘経験は多いとも言えるけど生身の人間と相対するのは全く違う、気を引き締めよう。
『西園寺、第一戦が決着した。勝者は更識だ』
シミュレーションでの地獄を思い出してちょっと鬱になりかけてたところに千冬さんから連絡が入る。どうやら楯無さんが勝ったようだ。どんな試合だったかは後で映像を見せてもらおう。
「わかりました、すぐに向かいます」
先ほど抽選を行った場所に向かうと既に対戦を終えた二人も戻ってきていた。
「う〜ん、悔しいけど全く適わなかったッス……」
「あら、けっこう頑張ったほうだと思うわよ? 私じゃなければもっと善戦できたでしょうし」
「あんたは相変わらずッスね! それにウチはこのまま連戦ッスか……」
話の内容からいくと楯無さんの圧勝だったようだ。さすが国家代表クラス。
うん、連戦はきつよね。僕も次は楯無さんだしそこは我慢して。
「一戦目のサファイアの武装の損傷などはほとんどない。このまま15分後に二戦目を行うから準備しておけ」
「了解しました」
「了解ッス」
千冬さんの声に促され僕とフォルテさんはそのままそれぞれのピットに向かう。
「二人とも頑張ってね」
楯無さんも
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