暁 〜小説投稿サイト〜
錆びた蒼い機械甲冑
X:そこに待つのは大樹にあらず
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
壊された”、“何時の間にか現れ何時の間にやら消えている”、“襲撃されはしたが殺しはしなかった”……等、その騎士についての噂には事欠かず、あの腕きき情報屋“《鼠》のアルゴ”でさえその実態は欠片も掴めなかったという、謎だらけのモンスターだった。


 そのモンスターがフロアボスだったとは、誰も想像すらしていなかったに違いない。


 「大丈夫だ! 数人で囲めば何とかなる! 攻撃に回る人数は少なくなるが、基本を守れば問題はない!」


 リンドの声で、震えていた者達はハッとした様に構えなおした。噂での実力が本物ならば脅威だが、それは攻略組では無い者達の話。攻略組数人で堅実的に挑めば、きっと倒せる筈だと、彼等は噂を頭から振り払った。


「いくぞ!」


 リンドのその掛け声と共に数人が一斉に取り囲み――――




 ボスMobの唯の“蹴り”で数人一遍にブッ飛ばされる。


「な―――うばっ!?」


 リンドはブッ飛んできた物に巻き込まれ、派手に転がってしまう。仮にも攻略組である者達を、まるで雑魚扱いするかのように蹴り飛ばした蒼錆色の騎士は……



「オオオオオオォォォォォォォオオオオオ!!!!」



 フロア全体に響いてもまだ足りない程の強大な咆哮を、目を禍々しく光らせて発した。それを合図に本格的に戦いが始まる。





 
 ……その騎士の名前に、『Caligula』という文字が追加されたのを、誰一人知らぬまま。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ