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錆びた蒼い機械甲冑
X:そこに待つのは大樹にあらず
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冑を纏った、一人の長身の騎士だった。

「は?」
「あれ?」
「なに?」
「あ、ありゃ? 何で?」


 その大自然とはあまりにかけ離れたすぎたSFボスモンスターに、一同目を丸くして立ち止まり、キリトも思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

 当たり前だ。こんな大森林広がるダンジョンの、獣や植物系のMobの頂点がこんな人型のメカニカルなモノだったら、階段を踏み外した気分になるのは当然。ましてや毒攻撃を行ってくると言われてイメージするモノの中ではぶっちぎりで、思いつかないランキングワーストに入ってもおかしく無いモノが佇んでいれば、誰だって驚くだろう。

 しかも、彼等を驚かせるのはそこだけでは無かった。

 本来ボスモンスターはプレイヤーを見かけたら速攻で戦闘態勢に入る筈なのだが、この機械甲冑は近づいても反応を見せない。唯、武器を地面に刺し、上になっている柄の部分に両手を重ねる様にして置いているだけだ。


「……とにかく油断はするな、何時襲ってきてもいい様に構えておくんだ」


 と、そのリンドの言葉に反応するかのように、騎士が下げていた頭を上げ、此方を見てきた。
 見ようによっては睨んでいるようにも取れるその威圧感。心の弱い者ならダッシュで逃げるか―――


「うわああっ!!」
「バッ…待て!」


 耐え切れなくなって仕掛けてしまうだろう……シミター使いの彼のように。しかし、腐っても攻略組と言うべきか、彼は曲剣ソードスキル・単発突撃技『リーパー』のプレモーションを既に取っており、攻撃事態には移れる様にしていた。

 しかしその攻撃は騎士の持つ、鉄板刃の奇妙な武器にいとも簡単に弾かれ、次いで柄を打ち込まれた。


「ぐおっ!?」


 その威力に転がされながらも、何とか立ち上がるシミター使い。見ると、騎士はどうやら此方を敵とみなしたらしく、盾の付いたその武器を腰辺りで引くように構えている。


 そしてその名前、『Blue Rust Machine armor 』を見た瞬間、レイド部隊の中から幾つか驚きの声が上がった。


「おい、今驚いた奴! アイツについて何か知っとるんか!?」


 その声に気付いたキバオウが、少しでも情報を得ようと声を張り上げる。すると、その中の一人が震えながら答えた。


「さ、最近噂になっているモンスターなんだよ、そいつ。誰一人勝てなかったどころか、オブジェクトを破壊した、転移結晶を狙って壊されたって噂もある……蒼錆色の機械騎士だ……!」
「なっ……あの噂のモンスターがコイツやてぇ!?」


 その噂はキリトやアスナも知っていた。
 いわく、“第三層ではありえない強さを誇る、世界観を度外視した機械の騎士”、“転移結晶を狙って破
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