スーパーロボット大戦OG外伝
0477話
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の耳元で俺が言葉を発しているのは端から見れば愛を囁いているように見えてもおかしくはない。そして何より十分に成熟した女でもあるスレイは鍛えているだけあって身体は引き締まっており、その胸も相応の大きさを持っている。そしてその胸は現在俺が強く抱きしめている関係上、俺の胸板でグニュリと形をひしゃげているのだ。
「……と、取りあえず離してくれ」
顔を真っ赤に染めているスレイの言葉に苦笑を浮かべ、抱きしめた形になっていたスレイを解放する。
「さ、さっさとお前のホテルに行くぞ!」
照れ隠しなのだろう。そう叫んだのだが……それが結果的に周囲に響き渡ったのは別に俺は悪くない筈だ。
「ちょっと、これからあの男とホテルに行くんだって」
「うわ、こんな昼間っから?」
「羨ましい」
そんな声を背に、俺とスレイはイスルギ重工を出て行くのだった。
「……全く、アクセルのせいでいらない恥を掻いた」
ホテルにある俺の部屋で、ソファへと腰を下ろしながら呟くスレイ。
部屋に備え付けられている冷蔵庫から紅茶を取り出して、スレイへと放る。
「いや、どっちかと言えばお前の自爆だろうに」
「ふざけるな。いきなりあんなに人がいる場所でホテルへ行こうと言われたのだぞ? どう考えてもお前が悪い」
「あー、分かった分かった。俺が悪いって事でいいよ」
お互いに愚痴を言い合いながら紅茶を飲んで一段落した所で受付で預かった封筒をスレイへと渡す。
「ほら」
「……兄様のカルテ、か」
封筒の中身を見ないままに呟くスレイ。
まぁ、俺の態度から大体予想していたのだろう。そしてそのカルテが存在していると言う事は、即ち俺の言葉が正しいという証明なのだ。
数度の深呼吸をした後、封筒を空けて中に入っていた紙を取り出す。数枚の紙のそれは、紛れも無くフィリオ・プレスティが病院で診察を受けた時のカルテだった。
……本来、カルテなんて個人情報の塊で病院の外に出してもいいような物じゃないと思うんだが。そんな風に思ったが、恐らく以前会った事のあるイスルギの裏のような者達が動いたのだろう。幸いこのカルテは本物じゃなくてコピーだし。
「……兄様」
ポツリ、とスレイの口から漏れる声。その声には何故自分の敬愛する兄が不治の病にという悲しみ、こんな状態になっているにも関わらず妹の自分には何も話してくれなかったのかという怒り、フィリオの無念さを思っての憤りといった色々な感情が入り交じっている。
そしてそのまま数分程、お互いに一言も喋らずに部屋の中は静寂に包まれる。
「……アクセル、このカルテのコピーは借りてもいいな? 兄様を説得する為に使わせて貰いたい」
カルテを封筒に戻しながら尋ねてくるスレイに頷く
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