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錆びた蒼い機械甲冑
W:彼の視点での来訪者
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 ここ数日間歩きまわってみたものの、あるのは大小様々な樹木と、牛頭の様にポリゴン片となって消える化け物のみで、機械騎士にとって有益な情報は得られなかった。
 分かった事があるとするならば、化け物たちは見た目の割に弱いという事ぐらいだろうか。最も、彼を基準として“弱い”と見ているので、一般論で弱いと言えるかどうかは微妙だが。


(分カッテイタ事ダガ……本当ニ、人ガ一人モ居ナイトハナ…)


 ギリギリで分かった事に入るとするならば、実は得られた情報がある……のだが、それは役に立つかどうか判断し辛いものであった。


(化ケ物共ノ頭ノ上ニ、“カーソル”ノヨウナ物ガ有ッタガ……アレハ一体……?)


 ポリゴン片になって消えうせる事といい、化け物たちの頭の上に現れたカーソルといい、まるで本当にゲームの中に入ってしまったかのような、そんな感覚を機械騎士は受けた。
 彼の元居た世界にはVRシュミレーションもあったので、初めは誰かの手によって無理やりやらされているかと機械騎士は思ったのだが、それにしてはいやに精巧で現実感があった。どちらかというと、人を楽しませる為に作った、娯楽的な物だという感じがする。

 それに、彼の居た世界でのVRシステムはあまり発達していない為、人の動きを再現する事は出来ても、周りの景色まで再現する事は無理なのである。


(マルデ異世界ニデモ迷い込ンダヨウダ……御伽噺ダナ……全ク笑エンガ)


 何時ものように遺跡まで戻って来た彼は、ふとまだやっていない事がある事を思い出した。


(ソウイエバ、“ホバー”ヤ“ブースター”、“レーダー”ヤ武器ノ“機能”ハ正常ニ作動シタガ……他ノ事ハマダ実行シテイナカッタナ)


 そうと決まれば早速―――と、実行に移そうとした彼の聴覚器官が、聞き慣れた音を捕らえる。どうやら、人間達が此処に向かってきているようだ。レーダー探知によると人数は四人、武器を持って警戒している様な挙動で進んでいる。


(彼ラニハ申し訳ナイガ……少シ実験相手ニナッテモラウカ……)


 そして次の瞬間、そこに居た筈の機械騎士の姿は、モノから居なかったかのように消え失せた。これは俗に言う光学迷彩と似た様な物―――“ステルス技術”なのだが、彼の場合は短時間しか持たない。
 その為、機械騎士はためらうことなく人間達の前に出た。だが、人間達は彼の存在に気付く事無く辺りを見回すばかり。


(……無事ニ作動シテイルヨウダナ)


 一先ず確認を済ませた騎士は、彼等の目的が分からない以上警戒はしておくべきだと、蒼錆色の盾板剣“プラエトリアニ”を若干引いて構える。


「な―――っ!?」
「……!」
「何時の間に!?」
「きゃ……!?」


 そし
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