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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第209話】
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の外へと向かった――。


 それから十分、俺は寮の外で【ある物】を採取し、意気揚々と二人の部屋に戻るとノックもせずに入った。


「悪い悪い、待たせたな。 ――うん、ちゃんと猫パジャマ?着たままだな」

「ぁ、ぁぅ……。 あ、あのねヒルト!? い、いつもはこんな子供っぽいパジャマじゃな――」


 シャルの言葉を遮る様に、俺はある一言を発した。


「【ニャー!】」

「へ……?」

「な、なに……?」


 いきなり発した猫言葉に、きょとんとした表情で俺を見つめる二人を他所に、俺は座ると外から採取してきた【ある物】を取り出すと、パタパタと上下にそれを振る。

 俺が採取してきたのはエノコロクサ――又の名を猫じゃらし。


「ほらほらー、猫じゃらしですよ〜」


 満面の笑顔で俺はそれを振るのだが、困惑したように二人はそれを眺めているだけだった――そして。


「ひ、ヒルト? な、何を――」

「おいおい、猫はにゃーだろ? 人の言葉を話す猫は見たことないぞ、創作以外で」

「ぅ……そ、そぅだけど……。 ――やらなきゃ……ダメ?」


 何とか逃れようと少し甘えた声を出すシャルだが――。


「うん、やらなきゃダメ。 例外は無し、ラウラもやらないとな」

「う、こ、断る……っ。 いくら嫁とはいえ、これは――」

「ふぅん?」


 そう言って、もう一本猫じゃらしを持つと両手で交互に上下に振り始める――そして、真っ直ぐ二人を直視して強制的に参加するしかなくなる様な雰囲気を醸し出す。


「ぅ……にゃ、にゃぁ……」


 おずおずと四つん這いでやって来たのはシャルだ。

 気恥ずかしさからか、今にも顔から火が出そうなぐらい真っ赤になっていた。

 一方のラウラも観念したらしく――。


「にゃ、にゃぁんっ!」


 半場やけくそ気味に聞こえる猫言葉と共にベッドから跳躍――くるっと一回転して着地すると縦に振った片方の猫じゃらしにじゃれついた。


「おー! 流石はラウラだな、ほれほれ」

「にゃ、にゃ、にゃぁっ!」


 パシパシとじゃれつくラウラの表情は真っ赤になっていたが、俺は気にせずに振り続ける。

 そして、シャルも――。


「にゃ、にゃーん……」


 ラウラとは違って消極的に猫じゃらしと絡むシャル。


「ははっ、この猫可愛いな……。 ご褒美、欲しいか?」

「「にゃ?」」


 なりきってる為か、首を互いに傾げながら聞いてくる白猫&黒猫。

 猫じゃらしを一旦動かすのを止めると、さっき落としたままのクッキーの包みを取り、中からクッキー一枚を取り出すと――。



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