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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十七話 傷跡
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ヴィヴィオ DAMAGE 350 LIFE 540
「……?」
と、クラナは拳に伝わってきた感触に、少しだけ違和感を覚える。少し軽すぎる気がしたのだ。確実に捕えたなら、もう少し重い筈。そう考えて、クラナはやけに大きく後方に飛ぶヴィヴィオを見た。
「……成程」
『後方に飛んで衝撃を二がした訳ですか……あんな技術を何処で学んだのでしょう?』
『十中八九ノーヴェさんだろうね。後可能性ならスバルさんかな……』
言いながらじりじりとヴィヴィオとの距離を詰めて行くクラナに対し、相変わらずヴィヴィオは真っ直ぐな瞳で向きあい続けていた。
────
『駄目だ……全然追いついていけない……』
ヴィヴィオはクラナと向き合い、荒くなりつつある息を必死に整えながらそんな事を思った。
魔法によるスピード等もそうだが、それ以前に技量が圧倒的に違う。
クラナとヴィヴィオでは、経験値に差が有りすぎるのだ。
『でも……』
しかしそんな状況に会って、内心でヴィヴィオは、とても楽しかった。
今までまともに向き合うことすらできなかった兄と、今はちゃんと向き合う事が出来ているように思えたからだ。拳を突き出し合い、お互いの格闘技術を持って相手に勝とうとする。
普通の兄妹とは、余りにも形が違いすぎるのは分かっている。けれどそれでも、これが兄に近づけるきっかけになるなら……
『うん……』
二コリと笑って、ヴィヴィオは次の手を決めた。
魔力を溜めて、受けに徹する。仕掛けてくるのを待つ。きっと、クラナなら仕掛けてくる。そんな予感が有った。
────
「……(これは……)」
『誘っていますね間違いなく。恐らく、仕掛けた所をカウンターで決めるつもりかと』
「…………」
構えを取ったまま動かないヴィヴィオから目を反らすことなく、クラナは短く息を吐く。
『相棒、どうしますか?カートリッジをロードすると言う手もありますが……』
『いや……行こう』
『ですが……』
『彼奴のたくらみくらい正面から破れないようじゃ……面目が立たないよ』
『…………』
アルの言葉にきっぱりと言ったクラナに、一瞬だけアルが黙り込む。
『……?アル?』
『いえ。申し訳ありません相棒。相棒の想うようになさってください』
『うん……ありがとう』
近くで見ても分かるか分からないか微妙なくらいの小さな微笑みを浮かべて、クラナは小さな声で言った。
「……行くぞ」
「…………っ!」
ヴンッ!と音を立てて、クラナが一気にヴィヴィオに接近する。対するヴィヴィオは受けの構え。完全にクラナの一撃をガードする構えだ。対してクラナの一撃目は……
「ふっ……!」
「うっ……!」
右拳。正面からの打ち上げ気味の一撃。構えていたヴィヴィオのガード
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