アダルトタイムな、二重奏
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飲み物が運ばれてくると乾杯をした。
「今日はどうしたんですか? 織斑先生はてっきり帰省しているものと思っていました。しかもここに、ベインズくんまでいるんですから」
「家に帰ったら、一夏の周りにいるいつもの女子五人がいてな」
「そこに、ベインズくんも居たんですか? でもそれだけじゃここに居る理由にはなりませんよね」
「いや、コイツは――」
織斑先生は少し間を置く。
俺は視線を感じたのでその方向を見ると、織斑先生は俺から視線を外し、カウンター席の正面にある幾つもの酒瓶が飾られているキャビネットに視線をやった。
「私の家から駅に向かっている途中のコイツを見つけてな。山田先生も知っていると思うが、コイツは妙に一夏周りにいる女子に気を遣っているからな。無理矢理家に連れていってそのまま置いてこようかとも思ったんだが――私が居なくなった後、コイツがどうなるのかと考えてみればそれも忍びなくて、な。それに何で気を遣っているのか聞きたかったっていうのもある。それでここに連れてきた」
俺は不信感を抱かれているのか? 俺はやり過ぎだとは思ってなかったんだがなあ。
「そうだったんですか。それにしても織斑くんが女子五人とですか。相変わらずモテますね、織斑先生の弟さんは。心配なんじゃありませんか?」
「それもあるが……臨海学校があっただろう。そこであの女子どもに一夏はやらんぞと言ってしまった」
「……はい?」
この後の織斑先生は話すことがしどろもどろになっていた。
俺が端的に表現すればこんな感じたろう。
一夏大好き。
「アイツは――なんというか、女を見る目がないような気がしてな」
そう言った織斑先生はグラスに入ったビールを一気に煽る。
そして都合が悪くなったのか、こんなことを言い出した。
「ところでベインズ。お前は兄弟はいるのか?」
なんて話を振ってくる。
それに俺はこう答えた。
「織斑先生は、俺が学園に出した身上書は見てないんですか?」
「見るには見たが……本当のことが書いてあるとは限らんだろ?」
そんなことがあり得るのか?
まあ確かに専用機持ちなら有り得るのかもな。
ISを占有出来るほどの実力と適正があるのなら、注目を浴びるだろう。
なら、プライベート情報を偽る可能性があるか――っていうか、身近にいたよ。
シャルロットがそうだったな。
「俺の身上書に書かれてあったことは事実ですよ。織斑先生も山田先生も見たんでしょうが、俺には姉が一人います。ただ血は繋がっていませんけどね。両親よりも可愛がってくれるんですが――織斑先生の隠れブラコンとは違って、家の姉は過激過ぎて辟易していますが」
「
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