暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
アダルトタイムな、二重奏
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そして得た情報がこれだ。
夕方四時から翌朝八時まで営業している店で、店内はフランス製の調度品で統一されている。
織斑先生の行きつけの店。
ここは大人が酒を楽しむ場所であり、ここは社交の場だ。
俺の様な未成年者が居るのは場違いだと言えるだろう。
まあ確かに表と裏を合わせれば、三十年は生きているであろうが、だがしかし、大人の世界で生きていた訳ではない。
ずっと子供をやっているようなもんだからな。
こんな場所に来るのは初めてだ。
ちなみに俺の前に置いてある液体はアルコール類ではなく烏龍茶である。

「まあ、そう慌てるな。今に解る」

そう織斑先生に言われては待つしかなく、俺はグラスの中の烏龍茶をちびり、ちびりと舐めるように飲みながら待つことにした。
そしてしばらく待って現れたのは……。

「お待たせしましたっ」

ああ、何かとても聞き慣れた声だ。
俺と同じ部屋で数ヶ月も寝起きした人物。
緑髪の眼鏡っ娘。
生徒とそんなに背丈が変わらない俺のクラスの副担任。
その名は、山田真耶。
向こうのイベントは回避出来たと安心していたが――くそ、そうきたか。
さっき織斑先生が連絡していたのは山田先生にだったのか。
俺の隣にちょこんと腰を下ろした山田先生。
なぜ織斑先生の隣に座らないんだと疑問を投げかけたくなる。
しかし、この状況はなんだ? 俺を挟んで教師が二人。
この光景を見たこの店のマスターだろう人物が俺に声をかけてくる。
破顔した表情を見せ、両手に花で羨ましい限りだと俺をからかった。
確かに嬉しくはあるが、俺が望んだ訳じゃないからな。
俺がどんな表情をしたのか解らないが、大人の女性二人を相手にするにはまだ早かったようですね、なんてことを言って声を出して笑っていた。
そうなんだろうな。

「すまないな。急に呼び出したりして」

「いえいえ、どうせ部屋で通販のカタログを眺めていただけですから。それにベインズくんが居ると聞いて飛んで来ちゃいました」

本当か? 元の世界じゃ冗談だとすぐに解るが、こっちの世界じゃISなんて物があるんだ。
本当にそうならシャレにならないぞ? 山田先生。
俺の顔を覗き込むように見た山田先生は、

「冗談です」

と可愛く言った。
こういう場所にいる山田先生を見るとやっぱり大人なんだと思う。
IS学園じゃあ、先生なのか生徒なのか解らない時があるしな。
しかも、見事なドジっ娘ぶりを発揮していたりもする。
ISを動かしていないと先生に見えないからな。
そんな山田先生の分の飲み物を織斑先生は初老のマスターに頼んでいる。

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