アダルトタイムな、二重奏
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声を上げながら、奈落の底へとぐるぐる回転しながら落ちていく気分になる。
とりあえずこの後の展開を思い出して見た。
確か買い物に行って料理を作るんだよな。
俺の印象に残っているシーンは、アニメ風おでんを作ったボーデヴィヒとビット兵器で料理を爆発させたセシリアくらいか。
俺をちらりと見た織斑先生の眼は安心しろとでも言っているようだった。
「ベインズも連れて行くからな」
それを聞いた一夏は、
「あのさあ、千冬姉。じゃあ何でわざわざ家まで連れて来たんだよ」
と言ったが、それは俺も聞きたいことでもだった。
「外で待たせても良かったんだか、コイツが逃げそうだったからな」
そういうことか。
だが、織斑先生から逃げるのは不可能だと俺は思うがな。
何せ本気の織斑先生はリアルなリーサルウェポンみたいなもんだからな。
「貴様、教官とはどういう関係だ!」
なんだいきなり。
それに行動が過激すぎやしないか?
ボーデヴィヒは素早い動きで俺に近づくと、刃渡り二十センチほどのナイフを俺の首筋に突きつけている。
「危ないだろ。今すぐその物騒な物を退けろ」
「それは、貴様が教官との関係を吐いてからだ」
「それは説明するまでもないだろ? 教師と生徒の関係決まっているだろうが」
「やめないか、ボーデヴィヒ。ベインズはようやく怪我が治ったのに、また怪我でもされたらかなわん。こいつには少し頼みたいことがあってな。それで連れていくだけだ」
ボーデヴィヒはそれを聞いてしぶしぶといった感じでナイフを俺の首筋から離す。
「くっ、仕方がない。教官の言葉に従ってこの場は引いてやるが、いつか話を聞かせてもらうからな」
変な勘違いをしているボーデヴィヒを納得させるだけの理由を用意しないとな。
何か考えるとしよう。
そんなことがありつつも、織斑邸から場所を移した俺は、駅から少し行った所にある商店街のとある場所にいた。
薄暗い店内は所々に間接照明があり、歩けないほど暗いわけではなかった。
その店内のカウンター席に俺と織斑先生は並んで座っている。
俺の目の前には口が幅広い透明なグラスがあり、その中に六分ほどの高さで入った茶色の液体。
そこには海に浮かぶ氷山の様に大きめの氷が一つ浮かんでいた。
俺はそのグラスを回し、氷が揺らめくのを眺めながらこう言い放つ。
「こんな所に俺を連れ込んで何をするつもりですか? 織斑先生。俺はこれでも未成年ですよ?」
俺たち二人が居る場所、それは地下にあるバーだった。
名前は『バー・クレッシェンド』という。
脳内にある原作知識の中からこの名前で検索をかける。
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