アダルトタイムな、二重奏
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一夏と遊びたいのは山々だが、シャルロットがいるしな。
「いや、またの機会にするよ」
「せっかく俺んちまで来てくれたのに残念だな」
俺は持ってきた手土産を一夏へと手渡し、二人に別れの挨拶をすると織斑邸を後にした。
織斑邸から学園へと戻るために最寄りの駅に向かう最中、俺はこんなことを思っていた。
危なかったな。
身体から変な汗が出そうになったよ。
シャルロットが織斑邸の前に居なければ、全く気づけなかった可能性がある。
これはあれか? 原作では恋を騒がす五重奏ってタイトルの話か。
あの展開を間近で見れないのは残念ではあるが、これから次々と織斑邸に来襲するであろう女子たちから恨まれたくないからな。
俺が織斑邸から離れたのは正解だろうと思う。
何てことを思いながら歩いていると、俺の名を呼ぶ声が聞こえた様な気がした。
こんな所に知り合いはいないはずだか……。
一応頭を動かし声の主を確認してみる。
するとそこには織斑先生の姿があった。
ああ、そう言えば、織斑先生が織斑邸に帰ってくるシーンなんてのもあったな。
「ベインズ、何て顔をしている。そんなにこの私に会いたくなかったか?」
「いえ、そうではなく――会うタイミングの問題です。今は運が悪かったというかなんというか……」
「お前が歩いて来た方角を見れば解るが、家に寄ったんだろ? アイツは家に居なかったのか?」
「一夏ですか? 俺が行った時にはちょうど帰って来てましたけど、他に来客があったので俺は遠慮することにしました」
「ほう?」
織斑先生は何かを悟った様な声を出した。
「家に来客か。で、それは誰だったんだ? まあ、大方予想はつくが、まずはお前が答えてみろ」
「シャルロット・デュノアです」
織斑先生はしょうもないやつだとでも言いたげな顔をしている。
「お前は、またあいつらに変な気を回しているのか? まあいい、これから私に着いてこい」
こうして俺は織斑先生に捕獲された。
まさかこんなにも早く、ここに戻ることになるとは思わなかった。
俺の目の前には織斑と書かれた表札がある。
再び戻った織斑邸。
門を通り抜け、玄関へと上がる。
織斑先生に遠慮せずに上がれと言われた俺は、家にお邪魔するとこになった。
着いていった先にある部屋は、一階にあるリビングなのかもしれない。
ドアを開ける前から楽しそうに会話している様子が伝わってくる。
「何だ、賑やかだと思ったらお前たちか」
織斑先生がドアを開けての第一声がこれだった。
俺がリビングに入ると、そこに居たのはいつものメンバーで、シャルロット、
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