第四十五話 少年期【28】
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メリニスの家族の方々全員が、検索魔法を得意としているらしい。だが検索魔法自体がマイナーなものであるため、同年代で比べる相手がいない状態だった。そのため、両親から筋がいいとは言われていたが、いまいち実感がない感じだったらしい。
よーし、それならどれだけ君の検索魔法で、俺が心の汗を流したのかを伝えるために褒めちぎってやろう……と思って行動して1分後。リンゴみたいに真っ赤になって、涙目で羊チョップを受けました。
「えっ、検索魔法のコツ?」
「そうそう。どうもいい方法が思い浮かばなくてさ」
俺はメリニスに、最近伸び悩んでいることを素直に相談することにした。無限書庫とかは話さず、調べ物をしているので、効率よく調べたいのだと話すことにする。
「うーん、そっか。アルヴィンだとちょっと難しいかもしれないね」
「あの、メリニスさん。それは俺が不器用すぎるとかアホすぎるとか、そんな理由で…」
「ち、違うよ! だから半泣きにならないで! アルヴィンは元の魔力量が多いから、集束とか圧縮を含めた微妙なコントロールが苦手な傾向にあるの!」
メリニス曰く、これは魔力量の多い魔導師によく見られる現象らしい。要は調節が難しいのだ。検索魔法は特に魔力量に左右される魔法ではなく、誰にでも使えるものだ。ただ必要なのは、緻密な魔力操作とコントロールである。
「ほら、逆に防御魔法や攻撃魔法っていった放出系は、アルヴィンが得意な方でしょ?」
「そういえば、確かに。なんか苦労したのは、バインドとか結界系だったかも」
「捕獲魔法と結界魔法もコントロールが難しい魔法だからね。アルヴィンは魔力変換資質もあるから、変換や変質の魔法にも適正はあると思うよ」
「おぉ、メェーちゃん。まじで先生みたい」
「えっと、本に載っていることだから、個人差はあるかもしれないんだけどね」
誤魔化すな、誤魔化すな。褒めていじりたい衝動にかられるが、やりすぎて怒られるのもあれなので、やめておいてやろう。
とりあえず、メェーちゃんの話を要約させてもらおう。つまり検索魔法というより、俺の魔力コントロールが未熟なのが原因の一つって訳か。練習の方向性がわかっただけでも、かなりの収穫だ。
「アルヴィンの検索魔法を見た限り、フィールド変化はたぶん私より上手だったよ。あとは魔力の運用と効率化とコントロールだね」
「フィールド…。というか、3つもあるのか。うーん、こう…もうちょっとさ、上達したっていう実感が感じられればなー」
「……それは難しいかな、精神的なものだもの。だから使用者が少ないっていう側面があるのよ。でも、訓練しておいて損はないわ。たとえば想定外のことが起こってパニック状態になっても、マルチタスクを使って冷静に状況を見極められたりとかできるしね」
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