第四十五話 少年期【28】
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なかった初等部1年生のあの日。友人となったリンディに、善意でもらった飲み物で保健室送りになった過去の記憶を思い起こす。あれは本気で暗殺されかかったのかと思ったレティ。それでも未だにこうやって友達をやっているのだから、彼女も変わり者である。
「どうしたの、2人とも?」
「いや、クライドが後輩から、『廃スペック先輩』と呼ばれている理由の一端を垣間見ただけだ」
「待て、それはレティのことではないのか。噂で聞いたぞ」
「私は2人合わせて呼ばれていたと思うわよ」
リンディは呆れながら、2人の会話にツッコんだ。
……ちなみに、このクラ校には『廃スペックトリオ』と呼ばれる3人組がいるのが、周知の事実だったりする。
「そうだわ、あの子を紹介するついでに、ちきゅうやにみんなで行かない? 漫画の続きが気になるのよ」
「君の後輩が言っていた、地球という文化のあるお店だったか」
「僕は構わないけど」
こうして、着々と地味に子どもネットワークは広がっていった。
「ところで、リンディたちはどんな漫画を読んでいるんだい」
「魔法少女のお話よ」
「……魔導師と魔女が、魔法少女の物語を読むのか」
******
【学校の図書室とか保健室ってなんかイベント率が高いよね】
「検索魔法発動」
俺の足元に一瞬だけ藍色の魔方陣が発動し、頭の中にいくつもの情報が並んでいく。右を見ながら、左を見るという、ある意味矛盾した行為を繰り返していく感じだ。この魔法は探し物を探すという地味な効果ながら、かなりめんどくさい魔法であった。
はっきり言って使いすぎると、魔力消費より頭痛がひどくなるのだ。おかげで魔力と体力は余るのに、ちょくちょく休憩を挿まないと使用できなくなる。地道に探すよりは、こっちの方がはるかに効率がいいので、俺としても慣れていくしかないと諦めざるを得なかった。
「えっと、初めての飛行魔法の教本に、複合発生魔法の理論書と―――」
俺が今いる場所は学校の図書室。明るい照明に照らされた大きめの図書室で、俺は勉強に必要な本を借りに来ていた。無限書庫と比べたら小さいが、それでも1周回るのに30分はかかりそうなぐらいの大きさはあった。
ここには機械による検索機があるのだが、マルチタスクの練習もかねて、俺は魔法を使って探すようにしている。その成果もあって、それなりに出力を出せるようにはなっていた。だけど、俺自身そこまで上達した実感を感じられないのが不安だ。魔法が発動出来ているから、上手くはなっているはずなんだけど。
そんなことを思いながら本を探していた俺の横を、ふわりと本が通り過ぎて行った。それに驚いて、俺は検索魔法を一端止めて、空を飛んでいる本に目を向ける。ブーフの様
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