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MARRY ME TOMORROW
第二章
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第二章

「どれ位なの?」
「二年の予定だよ」
 またあの小高の公園で話をした。今度はベンチに二人で座って話をした。やっぱり下の港がよく見えた。そこを行き交う船を見て汽笛の音を聞きながら話をした。
「二年なのね」
「うん、春には帰って来るよ」
 その予定だった。素直に答えた。
「じゃあね」 
 彼女はそれを聞いたうえで僕に言った。
「その二年が終わったら」
「何!?」
「ううん、何でもない」
 けれどここで首を横に振った。
「何でもないけど。待ってるからね」
「二年後ね」
「ええ二年後。また会えるのを楽しみにしてるわ」
 そこまで言って抱き合った。そして僕はこの国に来た。それからもうすぐ二年。もうすぐだった。もうすぐだったのに彼女は旅立ってしまった。
 日本へと帰る飛行機の中でも彼女のことばかり考えていた。他のことは考えられない。
「行く時と帰る時でこんなに気持ちが違うなんて」
 思いもしなかった。そんなことまで考えていなかった。空港に着いても。それは同じだった。
「ここで抱き合ったのが最後だったな」
 空港を見渡してまた呟いた。あの時抱き合ってキスをして別れて。そのままになってしまった。
 彼女は迎えに来ない。誰も来ない。僕は一人寂しく空港を後にすると携帯を入れた。そしてあの友達に電話をかけた。
「おう、今着いたのか」
「うん」
 彼に答えた。
「今空港を出たところ」
「今からこっちに戻るんだろ?」
「ああ、そのつもりだけど」
「早く来いよ、駅まで迎えに行くからな」
「わかったよ、じゃあ駅に着いたらまた」
「またな」
 そこまで言って電話を切って駅に向かう。そこから直接故郷の駅へ向かう。その中でもやっぱり考えることは一緒だった。彼女のことばかり。色々な想い出が浮かんでは消えていく。まるで泡みたいに。記憶が泡みたいに頭の中に浮かんで一つずつ消えて。ぼんやりとした中で電車の時間を過ごしていた。
 駅に着くとすぐに電話を入れた。暫くして友達がやって来た。
「よお」
「ああ」
 挨拶を交わす。見ればお互いあまり変わってはいなかった。
「元気そうだな」
「食べ物が豊富だったからね」
「羊ばっかりだってな」
「まあね」
 オーストラリアでは羊の肉が多い。実際に僕もそればかり食べていた。僕は羊には抵抗はないが嫌いな人間はその匂いがとことんまで嫌いだ。そんな人にはオーストラリアはあまりお勧め出来ない。
「ラムとかマトンとか」
「そうか、美味かったか」
「まあまあだね。牛とかも結構食べてたし」
「牛もか」
「他にもね。ロブスターとかも」
「いいもん食ってたんだな」
「いや、味付けは結構大味で」
 これは否定出来なかった。
「慣れるまでにな。時間がかかるよ」
「そうなのか
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