第6章:女の決意・男の勘違い
第10話:女国脱出
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……僕もシンのことは信用している。でも今回の件で解っただろ……コイツはどうしようもないお人好しなんだ。僕が普段いい加減でストレスが溜まってたからと言って、一見人の良さそうな他人を易々と信じ、厄介な事件に巻き込まれる様な頼りない男なんだ。しかも見ろ、あのデブを……アイツはその鍵を悪用しかねない。もう喉から手が出そうな勢いで欲しがってるからな! そのうちシンを騙して、その鍵を奪うに違いない」
「ちょっと待って下さいリュカさん。私を何だと思ってるんですか!? 流石に私も怒りますよ……」
「怒れば良いだろ! 僕は事実を言ったまでだ……僕のルーラが便利だと知るや、それを利用することを即座に考えたのはお前だろ! どんな扉でも開けてしまう便利な鍵……そんなモン目の前にあったら、お前は悪用を考えるに決まってるだろ! 世界の平和の為にとか言って、シンを騙して利用するだろ!」
確かに少しは考えてしまったことだから、強くは言い返せないけど……
それでも酷すぎると思いませんか?
私はそんなに極悪な人間では無いのに。
「しかしリュカさん……別世界での冒険時も、最後の鍵は便利なアイテムでした。今回も旅を進めるのに必要だと思います」
その通りですよウルフさん!
もっとリュカさんに言って下さい!
「だからと言って、この世に存在させてて良いアイテムだとは思えないのだが? ウルフ君にはこのアイテムを悪用されない妙案がおありかな!?」
「えぇ勿論。ムカツク言い方でブン殴ってやりたいですけど、出来そうにないので我慢しますが、良案はバッチリあります」
「ではその案を拝聴しましょう」
「簡単です。今回も鍵の管理者を決めるんです! その管理者以外、触ることを許さず、利用の際は管理者に頼む様にするんです。完璧な案でしょ」
「おい……それはさっきも言ったけど、シンは騙されやすいからダメ「管理者はシン君じゃありません! もっと管理者に適した人物に決めてます!」
リュカさんの反論を遮り、女王から鍵を受け取ったウルフさんは、そのまま彼に近付くと、顔に鍵を押しつけ受け取らせようとする。グリグリ捻って受け取らせようとしてる。
「ちょ……やめっ……イヤだよ……僕はイヤだよ! そういう責任の伴う事は引き受けたくないよ!」
「いいえダメです。貴方がシン君にストレスを与え続ける限り、今回の様に見た目だけは優しそうな悪人に騙される可能性は大いに在る……そんな原因の発症者として、アンタにはこの鍵を厳重に保管する責任が存在する。今回の事件で我々が得た大いなる教訓だ! 礼を言いますよリュカさん……この事に気付かせてくれてアリガトウって!」
確かにリュカさんが保持してるのでは、私なんかが気安く使えない状態でしょう。
そして旅をしている上で、本当に必要な時には利用出来、
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