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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十四話:男女別室の夜
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「……未遂でも襲われたら、今度こそ抑えられないかもしれない。相手の、息の根を止めるまで」
「わかった。開けない。絶対に、開けないから」
だから、殺人はやめてください。
などという物騒な会話を交わしつつ、部屋に戻って。
『ドーラちゃん、早く早く!早くガウン、脱いで見せて!……うん、やっぱり可愛い!!こんなに可愛いのにヘンリーさんは見ようとしないなんて、信じられない!!ヘンリーさんが大丈夫なら、毎日だって見られるのに!!』
「うーん。見たくないわけじゃないみたいだし。色々あるんでしょ、ヘンリーにも」
モモと雑談しつつ、昨日は色々あって後回しになっていたパパンの剣を、手入れのために取り出します。
『あ、パパさんの剣。お手入れするの?』
「うん。モモのお蔭で、少し手入れするだけで使えそうなくらいにキレイだけど。さすがに、このままだと無理だからね。ちゃんと手入れしておかないと」
手入れ用の道具も取り出して、丁寧に剣の汚れを落とし、念入りに研ぎ始めます。
パパンが戦った跡と、モモが苦労して運んでくれた跡と。
それを落としてしまうようなのは少し気が引けるけど、例え私が使わないんだとしても、このままパパンに返すわけにはいかないんだから。
意味の無い感傷に囚われて、立ち止まってる場合じゃない。
モモも興味深げに覗き込みながらも、当然咎めるわけも無く、何ということもなく聞いてきます。
『これを使うなら、もうチェーンクロスは使わないの?』
「ううん。あっちのほうが便利な時もあるし。剣には慣れてないから、その時によって持ち換えて、使い分けると思う」
『そっか。そうだね。そんなに強くない敵がたくさんいるときは、いっぺんに倒せたほうがいいもんね。あたしとピエールさんとコドランくんは、一匹ずつしか攻撃できないし。ドーラちゃんはいつもは、あっちのほうがいいかもね』
「そうだね。慣れたいからしばらくは、できるだけこっちを中心に使おうとは思ってるけどね」
話しながら剣を研ぎ終えて、油を塗って手入れを終えて。
汚れた手にキレイキレイしたところで、お風呂から戻ってきたヘンリーが部屋の扉を叩きます。
「ドーラ。起きてるか?」
「うん。今、開ける」
『待って、ドーラちゃん!ガウン、着ないと!』
「あ。そっか」
うっかり、うっかり。
いやいや、だってヘンリーだし。
うっかり開けちゃってもそんな大事には至らないと思うと、つい。
モモの指摘を受けてしっかりとガウンを着込み、扉を開けてヘンリーを招き入れます。
「お待たせ。髪だよね?すぐ、乾かすね!」
「……おい、ドーラ。今」
「ほら、座って座って!遅くなっちゃうよ?明日も、早く起きるんでしょ?」
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