暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十四話:男女別室の夜
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「……未遂でも襲われたら、今度こそ抑えられないかもしれない。相手の、息の根を止めるまで」
「わかった。開けない。絶対に、開けないから」

 だから、殺人はやめてください。


 などという物騒な会話を交わしつつ、部屋に戻って。

『ドーラちゃん、早く早く!早くガウン、脱いで見せて!……うん、やっぱり可愛い!!こんなに可愛いのにヘンリーさんは見ようとしないなんて、信じられない!!ヘンリーさんが大丈夫なら、毎日だって見られるのに!!』
「うーん。見たくないわけじゃないみたいだし。色々あるんでしょ、ヘンリーにも」

 モモと雑談しつつ、昨日は色々あって後回しになっていたパパンの剣を、手入れのために取り出します。

『あ、パパさんの剣。お手入れするの?』
「うん。モモのお蔭で、少し手入れするだけで使えそうなくらいにキレイだけど。さすがに、このままだと無理だからね。ちゃんと手入れしておかないと」

 手入れ用の道具も取り出して、丁寧に剣の汚れを落とし、念入りに研ぎ始めます。

 パパンが戦った跡と、モモが苦労して運んでくれた跡と。
 それを落としてしまうようなのは少し気が引けるけど、例え私が使わないんだとしても、このままパパンに返すわけにはいかないんだから。
 意味の無い感傷に囚われて、立ち止まってる場合じゃない。

 モモも興味深げに覗き込みながらも、当然咎めるわけも無く、何ということもなく聞いてきます。

『これを使うなら、もうチェーンクロスは使わないの?』
「ううん。あっちのほうが便利な時もあるし。剣には慣れてないから、その時によって持ち換えて、使い分けると思う」
『そっか。そうだね。そんなに強くない敵がたくさんいるときは、いっぺんに倒せたほうがいいもんね。あたしとピエールさんとコドランくんは、一匹ずつしか攻撃できないし。ドーラちゃんはいつもは、あっちのほうがいいかもね』
「そうだね。慣れたいからしばらくは、できるだけこっちを中心に使おうとは思ってるけどね」

 話しながら剣を研ぎ終えて、油を塗って手入れを終えて。


 汚れた手にキレイキレイしたところで、お風呂から戻ってきたヘンリーが部屋の扉を叩きます。

「ドーラ。起きてるか?」
「うん。今、開ける」
『待って、ドーラちゃん!ガウン、着ないと!』
「あ。そっか」

 うっかり、うっかり。

 いやいや、だってヘンリーだし。
 うっかり開けちゃってもそんな大事には至らないと思うと、つい。

 モモの指摘を受けてしっかりとガウンを着込み、扉を開けてヘンリーを招き入れます。

「お待たせ。髪だよね?すぐ、乾かすね!」
「……おい、ドーラ。今」
「ほら、座って座って!遅くなっちゃうよ?明日も、早く起きるんでしょ?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ