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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第30話 借金?借金?また借金!?
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第3条件が、1年を通してほど良い風が吹いている事です。これも製塩効率に影響します。この三つの条件がそろっている場所を探します。第3条件はある程度妥協できますが、第1第2条件は妥協出来ません。……ここまでで何か質問はありますか?」

 私はそこでいったん言葉を切って、2人の反応を見ます。……どうやら質問は無い様です。

「では、北側のフラーケニッセから調査を開始します。私はクリフのグリフォンに同乗します。各自騎獣に乗り込んでください」

 私の掛け声で、それぞれの騎獣に乗り込みます。準備完了を確認すると、私は叫びました。

「出発!!」

 私の掛け声と共に、騎獣が浮かび上がりました。



−−−− SIDE ディーネ −−−−

 ようやく王都に竜籠が到着しました。精神的には、竜籠より騎獣の方が楽ですね。

 そんな事を思いながら竜籠を下りると、お父様とヴァリエール公爵にモンモランシ伯爵が出迎えてくれました。初めに出迎えてくれたのが、知っている顔だったのでホッとしました。

「ようこそ王都へ」

 公爵が代表で、歓迎の言葉を口にしました。そんな公爵へ母上が対応します。しかし私とアナスタシアは、それどころではありません。竜籠の発着場には、知らない貴族達が何人も居ました。その貴族達の視線が、気になってしょうがないのです。強い敵意こそ感じませんが、何と言うか……値踏みされている様な気がして気持ち悪いです。この状況にアナスタシアは、私の影に隠れてしまいました。

「長旅で疲れただろう。立ち話もなんなので、私の別邸へ向かおう」

 公爵は私達の状況に気付いたのか、そう声をかけてくれました。

「ありがとうございます」

 私はホッとして、公爵にお礼を言いました。

「あちらに馬車が用意してある」

 そこには4人乗りの馬車が、2台用意してありました。お父様とお母様それに公爵が、何やら話しながら馬車に向かいます。

 となると……。

 私がアナスタシアに視線を向けると、すがる様な眼をしながら私の服をギュッとつかんで来ました。

「その様子では、もう1台の馬車に乗るしか無い様だな」

 モンモランシ伯が、そう言って話しかけて来ます。

「はい。そのようです。私達は、もう1台の馬車に乗りましょう」

「うむ」

 私はアナスタシアの手を引き、もう1台の馬車に乗り込みました。それにモンモランシ伯が続きます。私達が着席し、すぐに出発すると思いましたが、ヴァリエール公爵が馬車に飛び込んで来ました。

「わざわざ狭い方に来るとは、如何したんだね?」

 モンモランシ伯の質問に、公爵は心底嫌そうに答えます。

「あの万年新婚夫婦と、密閉されて空間で一緒に居ろと?」


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