暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第30話 借金?借金?また借金!?
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ですが」

「ただいま旦那様と奥様は、接客中でございます」

「客?」

「どうも王都から来た商人の様です」

 私達は館の中に移動しながら話していました。

「ふざけるな!!」

 丁度客間の前を通った時に、突然父上の怒鳴り声が響きました。いけないとは思いましたが、私達は聞き耳を立てます。

「しかし、返していただかなければ私たちが困ります」

「ドリュアス家がした借金では無い!!」

 借金?

「書類は正式な物ですし、王印もあります。これは間違いなく、現領主のドリュアス家が返済しなければいけない借金です」

「くっ」

「とにかく払えないのでしたら、利息分でも払っていただきます」

 どうやら、父上も母上も言い返せない様です。

「今日の所は、これで失礼します」

 どうやら商人は帰る様です。私達は隣の部屋に隠れて、商人をやり過ごしました。そしてすぐに、父上達の居る客室に突入します。

「父上!! 母上!! 借金とは如何言う事ですか!?」

「ギルバート。帰っていたのか?」

「はい。先程戻ったばかりです。それより、借金とは如何言う事ですか?」

 私の質問に、父上は額を抑え大きなため息をつきました。母上は……、見なかった事にしよう。大気がチリチリ言っています。

「……父上」

「やられたよ。フラーケニッセ領とローゼンハウト領の名義で、借金があったのだ。いや、あった事になっているか? 通常は領名義での借金は御法度なのだが、王印が押してある以上有効だ。合計で30万エキュー近い借金だ。利子も法外で、月一割だそうだ。来週には33万エキューに膨れ上がるな」

 父上の言葉に、私の頭を抱えてしまいました。ダイヤモンドと“水の精霊の涙”と言う切り札が無ければ、ドリュアス家が用意できる金額は、40〜50万エキューがやっとです。確実に開拓が失敗する金額ですね。しかし切り札が有るとは言え、ここで止まれば事態は悪化します。下手をすれば、切り札さえ飲みこまれかねません。

「父上。先程王印が押してあると聞きました。王家に確認しましょう。同時にヴァリエール公爵に、手形の用意をお願いしてみてはいかがでしょう」

 私の言葉に、父上が渋い顔をしました。

「状況から見て、返済を回避する事は恐らく不可能でしょう。利子を出した分だけ、敵を儲けさせるだけです。ならば敵が嫌がるのは、いきなり全額返される事です。借金があるという事実は、お金を借りるのに大きな弊害となります。利子と借金の妨害が、敵の目的で間違いありません」

「その通りだな。それと同じ手が使えぬように、手も打たねばならいな。私はその足で、ヴァリエール公爵とクルデンホルフ大公に金を借りて来る。ダイヤモンドと道具袋を貸してく
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