流星
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にも相当する破壊力を持った魔法なんだがな・・・よく体が残ったもんだ」
ドサッと地に落ち、ピクリとも動かない2人を見て、ジェラールが呟く。
いくらナツが妖精の尻尾の中では強く、ティアがギルドのS級魔導士でも、相手は思念体で聖十の称号を持っていた男。
大陸で強い魔導師10人の1人―――つまりはマスター・マカロフやマスター・ジョゼと同じくらい強い―――に勝つなど、難しい事なのだ。
ジェラールは倒れた2人から目を外し、ゆっくりと塔を見回した。
「それにしても少しハデにやりすぎたか。これ以上Rシステムにダメージを与えるのはマズイな・・・魔力が漏洩しはじめている。急がねば」
そう言いながら、ジェラールは倒れるエルザに目を向ける。
「なあ、エルザ」
その顔には歪んだような笑みが浮かべられていた。
ジェラールがゼレフ復活の儀式を始めようかと考えた、瞬間。
「!」
コン、コロン、コッ、コッ、カラン。
小さい音を立て、水晶のカケラがジェラールの足元に転がってきた。
水晶が転がってきた先に目を向けると―――――
「ハァ、ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・」
息を荒げたナツが、近くにある水晶のカケラをジェラールに投げ付けていた。
「・・・」
それを見るジェラールは、ただ沈黙する。
ヒョイ、と水晶を掴み、コン、コン、と水晶同士がぶつかる音を立てながら、2発目は少し逸れた。
掴み、投げ、コン、コン、コォーン。
3発目はジェラールの少し右側に、2発目よりも逸れた。
そして4発目。ようやくそれはジェラールの胸元にトン、と軽く当たる。
「へへ・・・当たったぞ、攻撃・・・」
「当てるまでに・・・時間、掛けすぎよ・・・バカ、ナツ・・・」
喰らったダメージは大きい。体力も魔力も少ない。
が、この2人は諦めの悪いギルドの魔導士――――否、諦める事を知らないギルドの魔導士。
ぐぐ・・・と無理矢理体を起こす。
「この塔・・・つーか水晶?壊されちゃマズイって訳か・・・」
「きっと今頃評議院は機能停止・・・もうエーテリオンは落ちてこない・・・27億イデアもの魔力を溜めるのは・・・もう不可能だろうし・・・」
そして2人は顔を見合わせ、何かを確かめるように頷き――――――――
「運が悪かったな!!!!」
「なら話は早いわ!!!!」
ナツは拳を、ティアは圧縮した水を、自分の足元の水晶に直撃させた。
「よせ!」
ジェラールが叫ぶ。
傷つき、体力も魔力も少ないなか、2人は立ち上がる。
「生憎ね・・・私達は・・・妖精の尻尾
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