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錆びた蒼い機械甲冑
V:機械甲冑の思考
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た、迷彩柄の大きな亜人が飛び出して来たのだ。


「チッ!」


 ホバーの勢いを利用してその牛頭から距離をとった機械騎士は、剣を握っていない右手にピックのような投げナイフを持ち、その迷彩柄の牛頭と対峙する。


『ブモオオオォォォオオオ!!!』
「ゴオオオオオオォォォオオ!!」


 お互いに強烈な咆哮を放った後、まず仕掛けたのは牛頭の方だった。

 手にしている棍棒を豪快、且つかなりの速度で振り下ろし、機械騎士を狙う。その棍棒の一撃を走りながら躱わして軽く跳んで棍棒に足を付けると同時に、再び棍棒を足場にジャンプする。

 そしてホバーを“ブースター”に切り替えて高速で牛頭に詰め寄り、その勢いのまま右角を切り落とした。


『ボオオオォォ!?』


 少々機械的な動作で顔を掻きむしった牛頭は辺りを棍棒でめちゃくちゃに叩きだす。機械騎士はそれを、ブースターを使い上空に飛んで避ける――――かと思いきや、勢いそのままに地面に着地し、再びブースターを吹かして距離をとりながら、ナイフを投げた。


 どうやら彼のホバーやブースターは微調整や加速にしか使えないらしく、飛べたとしても一直線に短距離を飛ぶのがやっとの様だ。


 やがて迷彩牛頭は叩きつけるのを止め、棍棒を構えて此方を睨みつける。その視線に何故か殺気等の生物らしさが感じられず、機械騎士は疑問に思うがすぐに戦闘の方へと意識を向ける。


『ブモオオォォ!!』


 これまた豪快な横振りをダッキングで避け、次いで来た振り下ろしは脚力を生かし、跳んで躱わす。そして牛頭は、少しの間力を溜めるかのように震えた後、土煙を上げながら爆音と共に突進を開始した。


(単純ニモ程ガアルナ……)


 その軌道上から外れる様に機械騎士は動き、突進を難なく避けながらナイフを命中させる。と、牛頭が転がるようにして手を地につけ、再び突進を行ってきた。
 が、想定の範囲内だったらしく、これまた苦も無く躱わす。

 突進が終わったらしく肩で息をする迷彩牛頭に、機械騎士は近寄ると脚を数回素早く斬りつけ、更にそこを足場に飛びあがって背を二回斬り裂いた。
 痛みに悶えながらも牛頭は彼を踏みつぶそうとするが、すでに距離をとった後でその踏みつけは空しく地を踏むのみ。そして、気を取り直すかのようにまた横振りを放った牛頭を見て、機械騎士はある事に気が付く。


(……一回目ノ横振リト軌道ガ同ジカ……?)


 続けて来る斜め振りおろされた棍棒を避け、近寄って足を斬りつける。いい加減当たらない攻撃にイラついた様に地団太を踏むと、再び横振りを行ってきた。


(ヤハリ…軌道ガ全ク同ジ、狂イガ無イ……!)


 その後で斜めに振り下ろすのも同じ
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