暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルの終わり方
四幕 〈妖精〉
5幕
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


「同じならしょうがないな」

 ルドガーはフェイに手を伸べた。フェイはきゅっと目を閉じて縮こまった。叩かれる、と思ったのかもしれない。そんなフェイをこれ以上怯えさせないよう、ルドガーは慎重にフェイの頭に手を置いて、頭を撫でた。フェイは驚きをあらわにルドガーを見上げた。

「パパだと思って甘えてくれていい。その代わり一つだけ頼みがあるんだ」
「たのみ?」
「『パパ』って呼ばないでほしいんだ。やっぱりフェイの本当の父さんは一人きりだし、俺も、代わりになれるなんて思えないから」
「むつかしそう……だけど。ルドガー、が、そうしてほしいなら、フェイ、呼ばない」

 ルドガーはフェイの頭を再び撫でた。フェイは目を細めて、それを受け入れた。


 ――本当の父娘でもない、親子らしくする歳の差でもない。
 ――それでも彼らが結んだのは、まぎれもない「父娘」の絆だった。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ