四幕 〈妖精〉
5幕
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「同じならしょうがないな」
ルドガーはフェイに手を伸べた。フェイはきゅっと目を閉じて縮こまった。叩かれる、と思ったのかもしれない。そんなフェイをこれ以上怯えさせないよう、ルドガーは慎重にフェイの頭に手を置いて、頭を撫でた。フェイは驚きをあらわにルドガーを見上げた。
「パパだと思って甘えてくれていい。その代わり一つだけ頼みがあるんだ」
「たのみ?」
「『パパ』って呼ばないでほしいんだ。やっぱりフェイの本当の父さんは一人きりだし、俺も、代わりになれるなんて思えないから」
「むつかしそう……だけど。ルドガー、が、そうしてほしいなら、フェイ、呼ばない」
ルドガーはフェイの頭を再び撫でた。フェイは目を細めて、それを受け入れた。
――本当の父娘でもない、親子らしくする歳の差でもない。
――それでも彼らが結んだのは、まぎれもない「父娘」の絆だった。
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