U:検証
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少年達のパーティが『蒼錆色の機械甲冑』に出会ったその数日後。
少年達のパーティの情報を元に行った者達からの証言と共に、瞬く間にその『蒼錆色の機械甲冑』の噂は広がって行った……とはいっても、半信半疑の者が殆どだったが。
その理由は、『意図的に結晶を破壊した』という事にあった。
「マジなんだって! こっちが転移結晶を取り出したら、それを狙った様に奪って破壊しやがったんだって!」
「そう熱弁されてもなぁ……実際に見てみない事には信じられねぇよ」
「っていうか、その機械騎士ってのも、少しばかり疑わしいんだよなぁ……だって第三層は大森林だぜ? そんな文明の入っていない大自然に、文明の極致みたいな機械甲冑が現れたって言われてもいまいちな」
「……それに、アインクラッドの設定も考えると、余計に可笑しいぜ?」
そもそもこの浮遊する城“アインクラッド”は、主に中世を舞台として作られている階層が多いらしく、現代所か大正時代の物があるかどうかすら怪しい。そんな舞台に、SFにでも出てきそうな文明の極致が現れる事自体が、この上なくおかしいのだ。
「かぁ〜……やっぱ、こればかりは口だけじゃ信じる奴はいねぇよな…」
「まぁな、デス・ゲームになっちまったSAOでの生命線を狙って破壊するなんぞ、誰だって信じたくねぇって。……それでも噂が広がってるってとこを見ると、やっぱり人は人なんだなって思うけどな!」
「なんだよ、哲学者見てぇな事言いやがって……」
しかし、男性の言うとおり、人とはつまらない方よりも楽しい方へと寄せられていくものであり、それがたとえ死の危険につながるとしても、踏み込んでみたい領域があるのもまた確かな事なのである。
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そんなプレイヤーが、機械騎士がいるというエリアへと足を運んでいた。
「噂が嘘だったら、いつもと変わらねぇし……本当だったら、そいつからドロップするアイテムで更に強くなれるかもな……」
実は彼は攻略組に近い実力を持っているのだが、あえて攻略には向かわず、そこから一歩引いた位置に居る。
理由は、その中であれば自分が最強だという挑戦心のかけらもない考えと、その位置で感じる優越感の為という、情けない理由であった。しかし、このデス・ゲームの中では社交的な面よりも自己的の方が段々と強くなってきており、ある意味では仕方ないとも言える。
彼が此処に一人で来た理由も、レアドロップを横取りされたくなかったからだ。
途中に出てくるモンスター達をなぎ払っていく様子を見るに、この男の実力は高いモノだと窺えるが、同時に攻略組の中では途中で通用しなくなるかもしれないという疑念も見える。
(もうそろそろ
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