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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第40話 バルトマンの過去(後編)
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三つの勢力がバラバラに攻撃を開始した為、その流れ弾で死亡した者が多いのだ。
特にクロスレンジで戦闘している聖王教会の騎士が被害が多かった。

(こんな事までしてまでワシの事が邪魔かセルド・スミス………)

怒りがこみ上げてくるが、小さく深呼吸して自分を落ち着かせた。

(奴の事は後だ。先ずはこの戦いから早く離脱するべきなんだが…………)

そう思いながら前と同じように体を反らし、攻撃を避けようとするが………

「くっ!?」

攻撃がかすってしまった。

「ちっ、もう限界が近くなってきたな………これはまずい………」
「団長、覚悟!!」

足が止まったロレンスに襲いかかる騎士。

「くっ!?」

ロレンスはその攻撃を受け止め、バックステップで距離をとった。

「ふっ、チャンスだ!!団長はスタミナ切れだ!!一気に押し込め!!」

その騎士の声は戦場全体に響き渡り、乱戦状態だった戦場に静かな間が出来た。

(くっ、まずい!!早く薬を………)
「全軍、攻撃!!!」

「くそっ!!」

薬を取り出す前に攻撃が始まり、ロレンスはシールドを展開しながら何もない荒野を走って逃げていた。

魔力枯渇病。
原因不明のリンカーコアにかかる病気で、徐々に総魔力量が減っていくという病気である。しかも厄介なのはそれだけでなく、定期的に抑える薬を飲まないと普段使っている魔力量以上の魔力を使ってしまう為、戦闘にも支障が出てしまう。
ロレンスも戦闘前、薬を飲んではいたが、長期化した戦闘に効力が切れてしまったのだ。

「ちっ、もたんか………」

シールドもずっと展開していては魔力を消費するため、長時間展開出来ない。

「情けない………バルトにああ言っているものの、ワシもこんなものか………」

殺傷設定の砲撃を受け、肩や足から出血をしながらも逃げていたロレンスだったが、敵に囲まれて動いていた足が止まった。

「………せめてカリムだけは幸せに………」

地面に尻をつき、そう覚悟を決め呟いた時だった。

「………何勝手に諦めてんだよ!!!」

そんな大声と共にロレンスの後ろから大きな雷の斬撃が囲んでいた魔導師達を襲った。

「情けねえよジジイ」
「バルト!?貴様、何故ここに………」
「えっ、いやまあ色々あってな………」
「色々………?お前、カリムはどうした?」
「だ、大丈夫だ、安全な場所にいるからそんな怖い顔するなよ………」

睨むロレンスに流石に申し訳なさそうな顔をするバルトだが、すぐに真面目な顔で周りを見るバルト。

「………んで、見事にやられたみたいだなジジイ」
「………ああ、ワシが相手を甘く見ていたな………」
「しかも何だそのざまは。俺と戦っていた時比べてボロボロじ
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