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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十一話 庭園の戦い
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無視できる。
 まずは真正面のやつ。
 疾走した勢いのまま跳躍し、ハルバートを横に薙ぐ。

 甲冑は異音を立てながら上半身と下半身に分かれ千切れ飛ぶ。
 予想よりも脆い。それに反応が遅すぎる。
 盾を持っていたがそれで防ぐ事すら出来ていない。
 性能としては一体一体はそれほど高くはない。
 十分に余裕を持って対応できるレベルだ。
 だが数とは単純な力でもある。
 万全ではないなのはやフェイトが囲まれると危険かもしれないな。

 しかし俺にとっては囲まれても大した問題ではない。
 人と比べるまでもない強靭な力を持つ死徒である俺。
 さらに尋常ではない重さと強度を誇るハルバートの前ではこの甲冑程度の装甲では耐えきれはしない。
 つまり俺はただ力任せに振るえばいい。

 着地した俺に襲いかかる甲冑共。

 それにこの入り口での戦いに関していえば囲まれようとハルバートを振るう必要さえない。
 なぜなら

「Stinger Snipe」
「はあっ!!」

 クロノが放った高速誘導弾が俺の横を抜け甲冑を次々に撃ち抜く。

 それにしても

「模擬戦の時よりもはるかにスピードも切れも威力も段違いだな」

 お互い手を抜いていたとはいえかなりのスピードとコントロールだ。
 この威力とスピードならば小型の甲冑では防ぎきる事はできない。

 俺もハルバートを握り直しながら速度を落とさずデカブツに向かって駆ける。

「スナイプショット!!」

 さらに加速した高速誘導弾が小型甲冑を次々に撃ち抜き、デカブツの前にいる奴も貫き、デカブツに叩き込まれる。
 しかし、さすがデカブツというところかクロノの高速誘導弾をくらっても平然としていた。
 だがそれも予想通り。
 俺は高速誘導弾のすぐ後ろを追うように疾走している。
 さらにデカブツは高速誘導弾を弾いた時の光で反応が遅れている。

 デカブツが俺に気がつき戦斧を振りあげるがもう遅い。
 飛びかかった速度を活かし空中で前転の要領で、ハルバートを脳天から叩きつける。

 ハルバートの刃がデカブツの戦斧の柄を砕き甲冑を砕き割るが、さすがに完全に分断できずに胸部の辺りで止まる。
 さすがに固いな。
 ハルバートの柄を握り直し、デカブツの腹を足場にし

「はあっ!」

 ハルバートを捩じり、胸部を抉りながら力任せに振り抜く。
 小型を叩き斬った時より凄まじい異音と共にデカブツの胸部が抉り飛ばされる。
 というよりも頭から入った刃が捩じりながら右脇腹の方に抜けているので上半身の右半分がなくなっている。

 そのままデカブツを蹴り、離れ爆風をかわす。

 着地し、なのは達の方を向くとクロノ達を含め茫然としていた。




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