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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十話 真実
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る。
 貴様と根源を目指そうとは思わない」

 俺の言葉にプレシアが俺を睨む。
 俺は魔術師ではなく、魔術使い。
 根本的に根源を目指していないのだ。
 そんなことよりもなにより俺は

「しかし愚かだな。プレシア・テスタロッサ」
「なん……ですって」

 プレシアが哀れに見えた。
 俺がプレシアに発した言葉にプレシアはすぐに反応し、俺を敵意を持って睨みつける。

「愚かだと言ったのだ。プレシア・テスタロッサ」
「何が愚かだというの?
 これで私はアリシアを、過去を、未来を取り戻すことが出来る!」

 まだ気が付いていないのか。
 いや、気がつく事を拒否しているのが正しいのだろう。
 そして、それこそが俺がプレシアに問いかけた答えでもある。

「アリシア・テスタロッサの器を作り、記憶を与え、アリシアを蘇らせるつもりだったのだろう。
 だがこのやり方ではいくら繰り返しても成功はしない。
 器がいくらアリシアを素体にしていようとそこに宿る魂はアリシアのものではない。
 ここにいるのはアリシアでも人形でもない。フェイト・テスタロッサという一人の少女だ」
「……ずいぶんと私達の知らない事を知っているのね」

 プレシアが驚いた表情で俺を見つめている。

 これがプレシアの間違い。
 根本的に魂というものを理解できてない。
 人がその人であるために必要な魂。
 もっともこれは魔術師と魔導師のあり方の違いから知られていないのだろう。
 遠坂曰く、「魔術師は過去に向かって疾走し、科学は未来に向かって疾走する」
 この世界の魔法を見る限り、魔術のように過去ではなく科学と共に未来に向かっている。
 未来を向かっている中で魂のようなオカルトじみた考えは不要ともいえる。
 しかし魂が理解できていなければアリシア・テスタロッサを生き返らせる事など不可能だ。
 もっとも理解出来ていても死者蘇生など無理だろうが

「それにフェイトが役立たずの人形?
 ふん。フェイトがいなければジュエルシードの回収すら出来なかったのにふざけた事を言う」

 プレシアの身体が何らかの病に侵されてるのは顔色から明白である。
 その身体ではジュエルシードの回収などまともにできるはずもない。
 フェイトがプレシアのために動かなければジュエルシード一つ手に入れる事すら出来なかっただろう。

「プレシア、俺の問いを覚えているか?
 『お前はなぜフェイトを受け入れ平穏に暮らすという選択が出来ないのだ』という問いだ」
「それがなんだというの」
「その答えを代わりに応えてやる。
 お前はただ認めたくないだけなのだろう」
「……なにを」

 俺の言葉にプレシアが理解できないとばかりに表情を歪める。

「フェイトの事
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