第六十二話 十二時の決戦その二
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「そうしようか」
「そうですね、グラウンドまで」
「グラウンドでの戦いか。ギリシアみたいだな」
「ギリシアですか」
「ああ、古代のな」
それの様だというのだ。
「古代ギリシアの戦いみたいだな」
「古代ギリシアはグラウンドで戦ったんですか?」
「グラウンドはオリンピックでは闘技場でもあったんだよ」
ボクシングやレスリングで使われていたのだ、古代の。
「それでだよ」
「あっ、あのオリンピックですか」
「ああ、古代ギリシアのな」
その時代の話だった、中田はバイクをガレージの中に入れてからそのうえで上城と共に学園の方に歩きながら述べたのである。
「それだよ」
「古代ギリシアですね」
「そうだよ、そもそもスポーツ自体な」
今度はスポーツの話にもなった。
「自分の身体を鍛える為のものだろ」
「はい」
「スパルタ起源でな」
伝説とさえなっている戦闘国家だ、軍事力を国家の至上のものに置き精強な軍を擁していたことで知られている。
「あの戦ってばかりの国からだからな」
「ということは」
「ああ、スポーツは戦いの為のものなんだよ」
「陸上もですね」
そのグラウンドでもだった。
「あれもですね」
「そうだよ、走ることもな」
まさにそれもである、一見戦争とは関係のないものが多い陸上競技も。
「追いかけたり逃げるのに速い方がいいだろ」
「槍投げや砲丸投げは特にですね」
「だろ?跳躍だって堀とか城壁とか越えてな」
このこともだった。
「そういうことなんだよ」
「ですか、じゃあスポーツは」
「戦って勝つ為のものなんだよ」
それがはじまりだというのだ。
「そのグラウンドで戦うからな」
「ギリシアみたいなんですね」
「そもそもこの剣士の戦い自体がギリシアみたいだな」
「ギリシア神話ですか」
「お互いに殺し合ってそれで最後に生き残った奴が願いを適えるっていうのも」
これもまた然りというのだ。
「ギリシア神話みたいだろ」
「数もそういえば」
「十三人だけれどな」
これは聖書から出た数字だ、だがだった。
「今度は十二人で戦うだろ」
「十二ですね」
「あの神話に出る数字だよな」
「オリンポスでもそれでもですね」
ギリシアでは十二は特別な数字だ、欧米の裁判における陪審員は十二人だがこれもオリンポスの十二神から来ている。
「十二星座とか」
「十二だよ、けれどな」
「けれど?」
「結構どういう訳かあの神話にはプラスアルファがつくんだよ」
「十二に加えて」
「オリンポスだって十二神にな」
時代によって違うがゼウスを筆頭にしてヘラ、アポロン、アルテミス、アテナ、アーレス、アフロディーテ、ヘパイストス、デメテル、ヘスティア、ディオニュソス、そしてポセイドンかハーデスになる
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