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ネギまとガンツと俺
第19話「惚れ薬」
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「……逃げる?」

 全く動こうともせずにただ首をかしげる忍者娘に、ネギは言いづらそうに顔を伏せるが腹を決めたのか。さっと顔をあげて言い放った。

「おそらく、タケルさんが食べたチョコレートは惚れ薬なんです! 効果は半日程度で、食べてから最初に見た人を好きになるっていう、強力なやつなんです!」
「「「「「ええ〜〜〜!!」」」」」

 今度こそ、全員が一斉に驚きの声をあげた。

「それはさすがにマズイアルよ、ネギ坊主?」
「す、スイマセン、スイマセン!!」

 何度も頭を下げるネギに対し、さすがに冷静になった楓とマナは頼もしい。

「そうやって、謝るのは後にしたほうがいいぞ、ネギ先生」
「へ?」
「今の大和先生からは、そのまま楓をベッドに直行させてしまうような勢いを感じる」
「と……とりあえず、拙者は逃げた方がいいでござるな」

 冷や汗を垂らして、二人が呟く。ネギとクーはベッドに直行という言葉の意味が判らなかったようで首をかしげているが、アスナは理解したらしく「べ、ベッド!?」と顔を赤くさせたり青くさせたりしている。

「後は私達が受け持とう」
「スマンでござる」
「なに、大和先生の実力を見るいい機会さ」
「これで先生と手合わせできるアルな!」

 フと格好良く微笑むマナとウキウキとした様子で笑うクー。

「ぼ、僕も手伝います!」
「私も!」

 責任感から、ネギが。同級生の貞操の危機に、アスナが頷く。

 心が一つになった皆が一斉にタケルをにらみつけた。

 彼との距離は僅か50Mにまで縮まっている。

「とりあえず、人のいない場所までこのまま固まって移動するでござる!」
「しんがりは私が務めよう!」
「ちょ、タケルさんが飛び上がったわよ!?」
「マナに任せて逃げるアル!」
「行きましょう。アスナさん、クーさん!」
「長瀬さんが好きじゃあーーーーー!」

 走りつつ再度叫ぶタケルに対抗するようにマナが声を張り上げた。

「彼を止めるには本気でいくしかない、行くぞ!!」 

 こうして、恐怖の追いかけっこ・逆Verが始まった。


 30分後
「ちょ、私の本気の拳を何発も受けておいてゾンビみたいに立ち上がるなんて本気でこわいアルよ!」
「長瀬さ〜〜〜ん!!」


 2時間後
「うわわわ、魔法に当たってるのに全く怯まない!?」
「長瀬さん〜〜〜!!」


 5時間後
「って、あんた達の攻撃が効かないのに私のハリセンなんて効くわけないじゃない!!」
「はぁ……はぁ……な、長瀬さん」


 10時間後
「ま、まさかこれほど化け物じみているとは」
「ぜぇ……ぜぇ……な、ながせ、さん」




 日付は既に変わりつつある。
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