おかえり
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・・・・。」
「でも、今のアナタは全然格好よくない。真らしくない。頑固で、真面目で、不器用で。とっても格好よかったのに」
「・・・・この世を去りたくなかったんだ」
真がやっと話しはじめる。
「新しく歩き始めたお前をずっと見ていたかった。ずっと傍にいたかった。だから、こんなことしてる」
「許されるとは思わない。命令だから、お前たちを消しに来た。それだけで、反対もせず、俺はここに来てしまった」
「・・・・・・・」
今度は麗が黙る番だった。
「俺は、一体何がしたかったんだろうな。死神になって、いつかは、この世にまた戻れると思ってたのに。
結局、俺は自分の大事なものを壊しただけだ」
「・・・じゃあ、また護ればいいじゃない」
「・・・・!」
再び真は目を見開く。
「アナタの人生はまだ終わりじゃない。どんな偶然か、アナタはまだここにいる。だから・・・・・・・」
麗はそこで一旦顔を背け、腕で目をこする。
何事かと思い、真が麗のほうを見ると。
ポタッ
「・・・・・・・!」
麗の顔から水滴が落ちてきた。それが涙だと気付くのに数秒かかった。
そして、麗は振り向く。顔に一杯の涙をたたえて、
「アナタとまた会えて、良かった・・・・・・」
「・・・・・・!」
麗の泣き顔はとても美しく、そして、寂しげだった。だからだろう。
「ごめんな・・・」
「・・・・・!」
だから、抱きしめてしまうのだろう。自分に禁じて、我慢してきたはずのことなのに。
「ごめん・・・・・本当に・・・・・ごめんよぉ・・・・」
いつの間にか、真の目からも水滴がたれ始めていた。
麗はそんな真に驚きながらも、同時に優しい眼となって、その身体を抱きしめ返す。
「おかえり。真」
麗がそう呟いた後、二人はずっと、お互いの身体を離さなかった。
ーそして、数時間後
「なッ・・・・・・!」
あまりの出来事に宏助は絶句する。
「そういう訳なんです」
明を見るが、やはり肯定の意。
「そういうことになっちゃって。ごめんね、宏助くん。相談もせずに」
麗の方を見るが、テンション高いのを無理やり隠しているのがバレバレで、目も当てられない。
「そんな訳でよろしく頼む。一応、本名を言っておくと・・」
そして、当の本人はすっかり真顔で自己紹介ときた。
「知ってるよッ!若菜 真だろッ!お前がなんでここにいるんだ!」
当の本人・・・すなわち真に素早く突っ込む。
「それはさっきも言ったように、真はこの屋敷のSPのひとりとして雇われたから・・・・」
麗がハイテンションで俺に丁寧に説明す
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