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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
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のは
 今のところあなただと思ってるんですよ」

口に笑みを浮かべて言うネオンだが、その目は全く笑っていなかった。
そして、それはゲオルグも察知しているところだった。

「どうでしょうね。 所詮、俺のところは実戦部隊ですからね。
 制圧作戦についてはよく知ってますけどね」

ゲオルグが真面目な顔をして言うと、ネオンはニヤっと笑う。

「なるほど。 では、ハイジャック犯たちはどうやって移送を?
 シュミットさんと別れた後も次元港にいましたけど、
 それらしい車両は見ませんでしたよ」

「そうなんですか? 俺は作戦後、次元港の警備部隊と少し話をして
 すぐ隊に戻ったのでよく知らないんですよ」

「そうですか・・・」

ネオンは上着の内ポケットから取り出した手帳をめくる。
そしてあるページでその手が止まり、顔を上げた。

「ところで、事件発生から制圧完了までターミナルビルにいた乗客の話では
 犯人が輸送機に載せられるのを目撃したという話もあるんですけどね・・・」

その時、部屋の扉が開かれ店員が2つのグラスを持って現れる。
店員はネオンとゲオルグ、それぞれの前にグラスを置くと会釈をして帰っていった。
ドアが閉じられると、ゲオルグはグラスの中の液体に少し口をつけてから
大きく息を吐く。

「で、何が聞きたいんです?
 お察しのとおり、ハイジャック犯一味は俺たちのところで拘留してますけど」

ゲオルグは先ほどまでの硬い表情とは打って変わって、
リラックスした表情で話す。

「今回の犯人はどういう素性の持ち主なんですか?」

それを受けたネオンも単刀直入に聞きたいことを尋ね始める。
さっきまでの2人のやり取りは、店員が飲み物をの運んでくるまでの
遊びのようなもののようである。

「申し訳ないですけど、捜査の内容については捜査部の公式発表までは
 待ってください。 さすがにそれを話すわけにはいかないんですよ。
 それに、まだ捜査は始まったばかりですしね」

「そうですか。 残念ですけど、いずれ捜査部の会見の後にまたお話を
 聞かせてください。
 ところで、今回の作戦はどうでした? 傍から見てる分には楽勝だったように
 見えましたけど」

ネオンの些か不躾な質問にゲオルグは僅かに眉をひそめる。

「そんなことはないですね。 そもそも、ウチの作戦が楽勝だったことは
 これまで一度もないですよ。 
 今回にしても、事前にハイジャック犯たちの手の内がある程度わかっていたから
 うまくことを運ぶことができただけですから」

「また、ご謙遜を・・・」

ネオンの持ち上げるような言葉にゲオルグは首を横に振る。

「謙遜じゃありませんって。
 初っ端からウチで制
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