暁 〜小説投稿サイト〜
特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
[4/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
居るんじゃないかって推論をティアナに話したか?」

怪訝な表情を浮かべてティアナを見るゲオルグがそう尋ねると、
ティアナは意地悪い笑顔を浮かべて首を横に振る。

「いいえ。 犯人たちからの証言で扇動者の存在が明らかになったときに
 ゲオルグさんのシナリオってこれだったのかなって思って、カマをかけました」

ティアナの言葉を聞いたゲオルグは苦笑して天井を見上げる。

「やられた・・・」

その様子を見て笑顔を浮かべていたティアナであったが、
しばらくして真剣な表情に戻ってゲオルグに声をかける。

「ゲオルグさん、ひとつお聞きしたいんですけど」

「なんだ?」

ぐてっとソファの背にもたれかかっていたゲオルグは、
ティアナの声色から真剣な話に戻ったことを察知して身体を起こす。

「なんで扇動者が居るって、あの時点で推定できたんですか?
 さすがに情報不足だと思うんですけど・・・」

「ああ、そんなことか・・・」

ゲオルグはそう言うとソファから立ち上がり、自分のデスクから端末を取って
ソファのところまで戻ってくる。

「ティアナにはもう話してもいいと思うから話すんだが、
 実は狙撃が行われた時刻の少し後に、倉庫から出て行く人物がいたことが
 昨日にはわかってたんだよ。
 それも踏まえて考えると、扇動者がいると考えるが妥当だと思ったんだ」

端末の画面に映る画像を指さしながら、ティアナに事情を説明する。
それを聞いたティアナは少し頬を膨らませてむくれた表情を見せる。

「じゃあ、ズルじゃないですか。 なんで教えてくれなかったんですか?」

「この情報を取ってきた方法が秘匿事項だからだよ」

ゲオルグの言葉にティアナは眉根を寄せた怪訝な表情をする。

「秘匿・・・ですか?」

「そう。 特秘ではないから部隊長である俺の権限で話すかどうか
 決められるんだけどな」

「はあ・・・。それで、どんな方法でこの画像をとってきたんですか?」

「ふふん、それはな・・・」

ゲオルグは自慢げに笑うと、ルッツをはじめとする通称シャドウ分隊の存在と
活動内容についての説明を始める。
10分ほどかけた説明を聞き終わり、ティアナは驚きで目を丸くしていた。

「なんか・・・さすがゲオルグさんって感じです」

感心したような口調でため息をつきながら言うティアナは、
ハッとしたようにゲオルグの方に顔を向ける。

「そういえば、それって私が聞いてよかったことなんですか?」

ティアナが尋ねると今度はゲオルグがハッとした顔を見せる。

「そういえば、クロノさんに伝えとけって言われたことを伝えるのを忘れてたよ」

ゲオルグはバツの悪い思いで頭を掻くと、真面目な顔を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ