第5話:ハイジャック事件−5
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サービスは出発の1時間前までなら
搭乗手続き時にキャンセルできるんです。
この場合、荷物の受け取りは保安検査を抜けたあとにあるサービスカウンターで
行われることになっているんです。
つまり、このサービスを利用することで保安検査を通ることなく
次元航行船の中に武器を持ち込むことができたわけですね」
ティアナは一通りの説明を終えたところで、コーヒーカップに手を伸ばす。
その目には呆れた表情で首を振るゲオルグの姿が映る。
「ったく、なんてお粗末な・・・」
ゲオルグはそう言って深いため息をつく。
「連中がどうやって武器を船内に持ち込んだのかは判った。
セキュリティの問題については次元港の担当者に連絡しておくとして、
次に気になるのはどうやって武器を入手したのかだな。
それについては何か判ってるか?」
「はい、ちょっと待ってくださいね」
ティアナは再び端末の画面を自分の方に向けると、いくつかの資料を開いて
もう一度ゲオルグの方に向ける。
「犯人グループから押収した銃は拳銃が10丁、ライフル2丁、狙撃銃が2丁の
計14丁です。
それぞれすべて同じ型の物ですが、管理局で把握している型ではありません」
ティアナの報告に対してゲオルグは顔をしかめる。
「把握してない型・・・ってことは、管理外世界で作られた物ってことか?」
ゲオルグの問いに、ティアナは首を横に振って答えた。
「そうではないと思います。 というのも、どの銃もカートリッジシステムが
搭載されているんです」
「なんだって!?」
思いがけないティアナの言葉にゲオルグは思わず声を荒げる。
だが、ティアナはゲオルグの反応を予測していたのか、
落ちついてゲオルグの厳しい視線を受け止めた。
「私も驚きました。 実物の方は現在ハミルトン博士が機能と構造の解析を。
明日までには答えを出す、とのことです」
「・・・犯人グループの連中はなんて言ってんだ?」
「カートリッジシステムについては詳しく訊かされていなかったようです。
ですが、威力向上のためということでカートリッジを数発ごとに
装填するように"旦那"から言われていたようです」
「ってことは、その"旦那"とやらが銃を用意したってことか。
いずれにせよ銃の詳細についてはステラさんの調査待ちだな。 他には?」
「特にありません。 以上です」
「そうか、とりあえず今までのところをまとめて報告書にしておいてくれ。
あとは・・・」
ゲオルグは呟くように言うとティアナからの情報を整理するために目を閉じる。
しばらくして、目を閉じたままのゲオルグの眉がぴくっと跳ね上がる。
「ん? 俺、扇動者が
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