第5話:ハイジャック事件−5
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「そんな、いいよ。 だってティアは親友だしね」
ティアナの殊勝な言葉にスバルは首を横に振る。
「ありがと」
ティアナはふらふらと覚束無い足取りでスバルに支えられて歩きながらも
笑顔をスバルに向ける。
だが、次の瞬間にはティアナの表情はまた暗いものに戻る。
「ホント、なんであたしってゲオルグさんのことが好きなのかしら。
絶対成就しない恋って解ってんのに・・・バカみたい」
「いっそ、思い切って告白して玉砕しちゃえばいいんじゃない?」
「そうね・・・。でも、せっかくゲオルグさんのそばに居られるのに
変に意識されちゃうのはちょっとね・・・」
「そっかぁ・・・難しいね」
スバルが少しうつむき加減で言うと、ティアナは急に立ち止まった。
「ゲオルグ・シュミットのばかやろ〜!!」
つないでいた手を引かれてスバルが振り返ったとき、
ティアナは夜空に向かって叫んでいた。
そして妙にスッキリした顔で歩き出す。
だが、スバルは急展開についていけず、アタフタする。
「ど、どうしたの、ティア?」
「ん? なんかいい加減あたしの気持ちに気づけよって思ったら腹たってきて、
思わず叫んじゃった。 でも、ちょっとスッキリした」
「そっか。 もう大丈夫?」
「大丈夫よ。 帰りましょ!」
スバルに向かってニコッと微笑むと、ティアナは近くの駅に向かって歩き出した。
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