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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
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受け止めてくれるよ」

(え、ナニコレ? 誘ってんの!?)

「・・・ホントですか? ホントに受け止めてくれますか?」

上目遣いで訊くティアナの言葉の本当の意味に気づかず、
ゲオルグは自信ありげに大きく頷く。

「大丈夫だって。 俺だってティアナみたいなカワイイ女の子から
 告白されたらOKしちゃうからさ」

(うわ!うわ!どうしよ・・・これって・・・!!)

ゲオルグの言葉にティアナの心は舞い上がっていく。
だが・・・

「ま、なのはがいなけりゃだけどね」

次の瞬間にゲオルグの口から発せられたその言葉で、ティアナは
天国から地獄へと突き落とされるような感覚を味わった。

(・・・・・ま、そうよね)

「遠慮しときます。 それに4月からは忙しくなりそうですしね」

ティアナは精一杯の笑顔を浮かべて言うと、ソファから立ち上がった。

「じゃあ、仕事もありますし行きますね」

「あ、ああ。 引き止めて悪かったな」

「いえ、それじゃ」

そしてティアナはゲオルグの部屋を出る。
背後で部屋のドアが閉まった瞬間、ティアナは通路の床にへたりこんだ。

(わかってたことだけどさ・・・。 やっぱ、直接言われちゃうとなぁ・・・)

その時、通路に大きな足音が響く。
そしてその足音はだんだん近づいてきて、ティアナのすぐそばで止まった。

「大丈夫ですか? 体調でも?」

肩に手を乗せられる感覚に、ティアナは顔を上げる。
そこには心配そうに自分の顔を覗き込む、ウェゲナーの顔があった。

「いえ、大丈夫です。 ちょっとつまづいただけなんで」

ティアナはそう言うと立ち上がってウェゲナーに向かって頭を下げる。

「心配してくださってありがとうございます。 もう行きますね」

ティアナはそう言ってオフィススペースの方に向かってトボトボと歩き出した。





「ね、スバル。 あたし、どうすればいいと思う?」

スバルはテーブルの上に突っ伏しているティアナに声をかけられフッと我に返った。

「そだねぇ、明日もお互い仕事だし、そろそろ帰ろっか」

時計はすでに午後9時を指している。
ティアナがムクっと起き上がる。

「そうね。 明日も仕事だったわね」

相変わらず呂律の回らない口調で言うティアナ。
スバルはその手をひくと会計を済ませて店の外に出る。
外の空気はひんやりとしていて、酒で火照ったからだを覚ましてくれるように
スバルは感じていた。

「ねえ、スバル」

「ん? どうしたの?」

スバルが尋ねると、ティアナは彼女に向かって深く頭をたれた。

「今日は付き合わせちゃって悪かったわね。
 ありがたいと思ってるわ」


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