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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
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目に白いニットと
黒いタイトスカートを着た親友の姿が飛び込んでくる。

ティアナはパンプスのかかとを鳴らしながらスバルの前まで走ってくると、
ストッキングで包まれたひざに手をついて上半身を折る。

「ご・・・ゴメン。 ちょっと仕事が長引いて・・・・・」

息を整えたティアナが顔を上げて両手を合わせると、スバルはにこっと笑う。

「いいよ。 ティアは執務官だもん、忙しいのはわかってるからさ」

スバルの言葉にティアナはほっと胸をなでおろし、礼を言おうと口を開きかけた。

「じゃ、今日はティアのおごりってことで!」

満面の笑みを浮かべて言うスバルに対し、ティアナは恨めしげな目を向ける。

「・・・わかったわよ!」





さらに5分後、彼女たちの姿はメインストリートに面したビルの2階にある
居酒屋の一席にあった。

「かんぱーい!」

2人はそれぞれの手に持ったグラスを互いに軽く触れ合わせると、
その中身をぐいっと呷る。
グラスの3分の1ほどを飲み干し、2人は息を合わせたかのように
タイミングよくグラスをテーブルの上へ置く。

「お疲れ、ティア」

「あんたもね」

互いの今日一日の労をねぎらい、2人は笑いあう。

「そういえばさ」

注文した料理がいくつか届き、店員が去ったところでスバルはそう切り出した。

「ティアがこういうお店を選ぶのって意外だな」

スバルがから揚げを摘み上げながら言うと、ティアナは多少不機嫌になったようで
スバルを軽くにらむような表情をみせる。

「どういう意味よ?」

「だって、ティアがお店を選ぶとだいたいお洒落なバーとか、
 そういうところになるじゃん」

スバルがそう言うと、ティアナはサラダを自分の取り皿に移していた手を止める。

「あたしだって、味とか雰囲気とかどうでもいいから酔いたい、
 ってときぐらいあるわよ・・・」

ティアナはそう言うと、深いため息をつく。

「・・・仕事でなんかあった?」

ティアナの様子が普段と違うことから、スバルはティアナを案じて尋ねる。
それに対してティアナは渋い顔をしてうつむくと、手元のグラスの中身を呷る。

「まあ・・・ね。 いろいろあんのよ」

そう言ってティアナはグラスを置く。

「今日はちょっといろいろありすぎてね、頭ん中がごちゃごちゃしちゃってんのよ」

「ふーん」

スバルはティアナの言葉に相槌を打つと、自分のグラスに手を伸ばしながら
ティアナの表情をそっと伺う。
スバルにはティアナの顔が少し沈んで見えた。

(ティアが話してくれるまで待ってようかな・・・)

そしてスバルは自分のグラスの中身を少し飲むと、
サラダを自分
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