暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十三話:乙女の憂鬱
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ポートセルミの町を出て、ルラフェンの町を目指して西に進みます。

 順調に魔物を倒しながら進む中、段々とモモがそわそわし始めます。

「モモ?どうかした?」
『え?……ううん!なんでもないよ、ドーラちゃん!』

 私に声をかけられてハッとし、取り繕うように明るく答えてくれますが。

「モモ。……どうしたの?」

 どう見てもなんでもないようには見えないので、モモをじっと見詰めて再度問いかけます。

『……なんでもない……』
「……本当に?」
『……』

 静かに問いを重ねると、モモが黙り込んで俯きます。

 ……追い詰めたいわけでは無いんだけど。
 本当に言いたくないなら、言わなくてもいいんだけど。

 モモに近付き、優しく撫でながらまた問いかけます。

「……言いたくないなら、いいんだけど。何か気になることがあって、私に何かできるなら。何もできなくても、話して楽になれることなら、言って欲しいな」
『…………ドーラちゃんと二人で、お話ししたい…………』
「わかった。じゃあ、馬車の中でお話ししようか」
『……うん』

 頷くモモをまた撫でて、他の仲間たちを振り返ります。

「みんな。しばらく、任せてもいいかな?」
「ああ。ゆっくり話してこい」
「そのまま、町までお休み頂いても構わぬ程です。どうぞお任せあれ」
「女の子を守るのは、男の役目だもんな!ちょいむさ苦しーけど、おいらたちにまかせとけよ!」
「ピキー!」
「ありがとう。よろしくね」


 俯いたままのモモを促して、馬車の中に入ります。


 またモモを撫でながら、優しく声をかけます。

「モモ。どうしたの?」
『……一人で、こっちにきたときにね?キラーパンサーに会ったの』
「そっか。それで?」
『……オスの、キラーパンサーでね?……あたしが、女の子だから……』

 そこまで言ってさらに顔を俯かせ、モモが黙り込みます。

 ……この、可愛いモモが、一人で。

 野生の。
 オスの、キラーパンサーに遭って。

 男はみんなケダモノなんて言うけれども、言葉のあやとかで無く、言葉通りにケダモノのオスなわけで。

 そしてモモの、言いにくそうなこの様子。

 ……まさか。

 モモの首に腕を回し、抱き締めて撫でながら、静かに問いかけます。

「……モモ。……すごく、言いにくいかもしれないけど。大事なことだし、モモが大切だから聞くけど。……女の子として、酷いことされた?」
『……ううん。されそうになったけど、あたしのほうがずっと強かったから。痛め付けて、追い返した』

 ……良かった!

 モモも強いしまさかとは思ったが、万一ということはあるし!
 最悪の事態は免れていて、本当
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ