暁 〜小説投稿サイト〜
古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
準最高神 神殺し
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「俺は…」

キョウスケは声に出るほど悩み苦しんでいる。千夏は自分のことを愛していた。だが自分は信じてきた神によって殺され、その自分は自分を殺した女神と夫婦という関係になっている。キョウスケが自分の考えを実行するならば、千夏の事を殺さず、彼女と話したい。南武 恭介として、人間として、彼女と愛し合った恭介という存在として。だがそれは許されない事、準最高神として立場は高く責任が多く付き纏う。下手に千夏を見逃そうものなら自分の子供、自分の部下、エクナにさえ火の粉が飛ぶ可能性がある。自分は愛する者を守る為に愛する者、目の前に居る千夏を戦えというのか?殺せというのか?

キョウスケは掌から血が滲み出るほどに手を握り締めた。直ぐに再生はするがまた地があふれ出して地面へとポタポタと落ちて行く。キョウスケの交錯する重いとは裏腹にやけに簡単に地面へと落ちて行く。ギリギリッと歯軋りをする音、そしてキョウスケは…肩を落としながら…指を鳴らした。

「…此処は…?」

千夏が顔を上げるとそこは墓地では無かった。何も無い白い白い空間、地平線の先にも何も無く無だけが広がっている。千夏は立ち上がって周囲を見回すが誰もいないし、何も居ない。唯一つを除いて、何も無かった。そう、漆黒(アルトアイゼン)巨人(リーゼ)を纏ったキョウスケ・ナンブっという存在を除いて。

「加賀見 千夏、お前が持つ神殺しの力。回収させて貰う」
「貴方…神ね?」
「…」

巨人(リーゼ)は答えない。答えなれなかったのだろうか、だが千夏は笑っていた。

「そう、神は何でも出来るのだから恭介君と同じ容姿になる事だって出来るのよね、味な事してくれるわね」

そう呪いの呪文を詠唱するかの如く、千夏はゆっくりと身体を揺らし始めた。右手は左腕に減り込んで行く、沼に足を取られていく様に右手は左腕の中へと入っていく。そして其処から取り出したのは一本のライフル。だが唯のライフルではない、XK.50対物狙撃銃。大型セミオート式狙撃銃だ、ヘリコプターや装甲車などにも損傷を与えられるような威力を持っている大型セミオート式狙撃銃だ。明らかに対人相手に使うのは過剰な火力を誇るが、相手は神、それなら割に合っている物なのだろう。千夏は巨人の頭部に狙いを定めて引き金を引いた。ズガンッ!!ズガンッ!!ズガンッ!!迷う事の無い三連射、それは一寸も違わず、巨人の頭部へ直撃した。だが巨人は少し頭を後ろへ反らしただけでダメージを与えられているように見えなかった。千夏が笑った。自傷する様な笑いではない。それは、死に場所を見つけられた武人のような笑い。

「あははははっ!!いいわ!そう簡単に死なれたら逆に興ざめって物よね、それじゃ引き摺り下ろし甲斐がないってものだものね!!」

千夏は左手を胸へと突っ込んで、大型のサーベル
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ