暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
眠れる塔の女騎士
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築されるのだ」
「が・・・うあ!」

ジェラールがエルザに説明し終えるのを待っていたかのように、ジェラールが言い終わったと同時にエルザは近くの魔水晶(ラクリマ)に吸い込まれ始める。

「お前の事は愛していたよ、エルザ」
「ああああああっ!くそっ!くそぉっ!」

必死に魔水晶(ラクリマ)から脱出しようとするが、拘束されたエルザの体は言う事を聞かず、もがいてももがいても出る事は出来ない。

「偉大なるゼレフよ!今ここに!この女の肉体を捧げる!」

ジェラールが両手を上げてそう叫び宣言すると、魔水晶(ラクリマ)から魔力が溢れ始める。

「ジェラール・・・」

エルザはジェラールの名を呟く。
が、ここにいるジェラールはエルザの知る、あの優しかったジェラールではない。
ゼレフの亡霊によってゼレフを復活させようとしているジェラールなのだ。

「ジェラァーーーールゥゥーーー!!!!」

左目から涙を流しながら、エルザはジェラールの名を叫ぶ。
そしてエルザの体は完全に魔水晶(ラクリマ)に取り込まれ―――――




「おっと」
「間に合ったわね」




―――――る事はなかった。
右腕を掴み、魔水晶(ラクリマ)に吸い込まれかけていたエルザを2人の人物が救った。
その光景にジェラールが、エルザが驚愕で目を見開く。

「エルザは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だ。渡さねーぞ」

笑みを浮かべてそう言うのは、ナツ。
その横で変わらない無表情で腕を組むのは、ティア。

「ナツ、ティア・・・」
「な〜にしてんだよ。早く帰って仕事行かねーと、今月の家賃払えねーぞ。ルーシィが」
「そうね。アイツは毎回毎回家賃家賃うるさいもの。きっと今月も金欠よ」

ドサッとエルザを床に横たわらせる。

「ス、スマン・・・体が・・・動かなくて・・・」
「ほ〜う」

それを聞いたナツは、意地悪そうな笑みを浮かべる。

「普段ヒデェ目にあってるからな!こ〜れでもくらえっ!」

そして、エルザの体を擽り始めた。

「や・・・やめっ」
「かっかっかーーーっ!」
「やめなさいバカナツ」
「うごっ」

そんなナツの明らかに空気を読んでいない行動を止める為、ティアはその背中に飛び蹴りを決めた。

「ナツ・・・ティア・・・今すぐここを離れるんだ・・・」
「嫌よ。私もコイツも、そんな簡単に引き下がるほど素直じゃないの」
「お前が無理なら代わりに俺達がやってやっからさ」
「よせ・・・」

2人の言葉に、エルザはゆっくりと言葉を紡ぐ。

「相手が悪い・・・お前達はアイツを知らなすぎる」
「知らなきゃ勝てねぇもんなのか?」
「私、知らない相手で普通に勝ってきたけど」


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