暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep16旅立ち〜Take a good journey〜
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ひとりで逝こうとしてる。それが辛い。そんな選択をさせたことが悔しい。そやけどリインフォースは「よいのです。これで、よいのですよ」って笑った。

「なにが・・・なにがええんや! そんな悲しそうな、辛そうな顔をしとって、納得できひん!」

あんな悲しそうな微笑みを浮かべても何も納得できひんよ、リインフォース。

「私、夜天の魔導書は・・・自分の始まりすら思い出せない程に長い時を生きてきました。ですが、最後の最後で私は、心優しきあなたに出逢えたのです。祝福の風リインフォース。とても綺麗な名前を、家族を想うことの出来る温かな心を頂くことが出来たのです。これほどの幸福。他を探せと言われても決して見つけることなど出来ません。えぇ、2度と、です」

「そんな・・・リインフォース・・・。アカン・・・アカンよ・・・。そんな顔・・・」

精一杯、悲しみやなくて嬉しそうな微笑みを浮かべるリインフォースに、わたしは涙が止まらへん。

「それに。ご安心を、主はやて。確かに私は逝きますが、主が独りになることはありません。騎士たちが、これからもずっとあなたの側にいます。ですから・・・」

リインフォースが後ろに居るシグナム達を見てそう言うた。わたしはその言葉を素直に受け入れるわけにはいかへん。コードの袖で涙を拭って、わたしも精一杯の説得を試みる。

「違うっ! わたしはそんなんが言いたいのと、聞きたいのとちゃう! わたしとシグナムとヴィータとシャマルとザフィーラ。そこにリインフォースが居って、はじめてホンマの家族になるんや! リインフォースひとり居らんかったら・・・なんの意味もないやんか!」

「・・・そう仰って貰えただけで、私はもう充分です。悔い無く笑って逝けます」

「嘘つきは嫌いや! 駄々っ子過ぎや、ホンマに分からず屋やな、リインフォース!」

なのはちゃん達の言う通りや。リインフォースは話を全然聴こうとせえへん。でも諦めへん。諦めて、堪るか。なんとか説得しようって考える。そうや、約束。リインフォースとの約束してたアレを言えば、きっと・・・。

「リインフォース。夜天の書の主はわたしや。そやから言うことを聴いて。わたしはリインフォースを、夜天の書を絶対に暴走させへん。そう約束した、憶え――」

「もちろん憶えていますよ。私を抑え、決して暴走させない、と。その約束は、守っていただきました。ですから私はあなたを喪うことなく、こうして存在しているのですから」

「リインフォースは全然解かってへん! その約束は、あの時だけやのうてこれからもずっとって意味や! だからわたしは守ってない、守りきってない!」
 
「ご理解ください。・・・私は夜天の魔導書。主に害なす全てを打ち払い、そして主を守りぬくのが魔導の器たる私の務め。あなたを守る
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