暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep14聖夜に降り立つ夜天の王〜Hayate〜
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何もない場所に一閃。その瞬間、ガラスが割れたみたいに空間にヒビが入って、そして砕け散った。一瞬の暗転。気が付くと、私は現実へと戻っていた。

†††Sideフェイト⇒シャルロッテ†††

「エクセリオンバスター、フォースバースト! ブレイク・・・シューーーーット!」

“レイジングハート”より放たれたのは、凄まじい4発同時の多弾砲撃。それらは一直線に不可視のバインドに捕らわれた“夜天の書”へと向かって、全弾直撃した。周囲を照らし出す桜色の閃光。それだけじゃなく、爆発した閃光の中に居る、姿の見えない“夜天の書”から空へと一条の雷撃も放たれた。色は黄金。フェイトの魔力光だ。本当に上手く行ったみたい。

「フェイトちゃんっ!」「フェイト!」

なのはとアルフの嬉しそうな声が私の耳に届く。私はユーノとハイタッチ。フェイトも無事に脱出できたようだし、ひとまず本当に良かった。これであとは、ルシルが来てくれればみんなが揃う。

(まだ異界英雄(エインヘリヤル)と戦ってるのかなぁ・・・?)

ルシルの状況を聞くためにエイミィに通信を繋げようとしたその矢先、空間が振動し始めた。まだ終わってはいない、ううん、ようやく終わるために始まった、ということだ。そこにエイミィから切羽詰まった通信。“夜天の書”の反応はいまだ健在、だって。うん、見れば判る。
眼前に現れたのは巨大な黒い澱み。その前方には白く輝く球体がある。おそらくあの中にはやてが居る。狙い通りフェイトと一緒に脱出できたみたい。

『遅くなってすまない、クロノだ。君たちの目の前に現れた黒い澱みが、闇の書の暴走の起点となる。言われなくても解かっているだろうが、無暗に近付かないように』

言われなくてもあんなものには近付きたくはない。周辺には何か気色の悪いのが居るし。なにアレ? ミミズ? ヘビ? どっちにしてもキショい。

「さすがに好き好んであれには近付きたくないな」

クロノが来るまで待機している私たちの後ろから聞こえたのは、紛れもないルシルの声。一斉に声がした方向へと振り向く。そこにはちゃんとルシル(結構ボロボロだけど)が居た。

「「ルシル!」」

私とフェイトの声が重なり合った。なのは達は少し遅れてから「ルシル君!」って呼んだ。ゆっくり近付いてきたルシル。だけどその表情には明らかな疲労がある。あのフラウロスとかいう緑髪の少女によほど手古摺らされたみたい。

「間に合って良かった。帰ってきたらことがすでに終わってました、なんてことは避けたかったからな」

その言い回しに心当たりがある私は驚愕した。なのは達はルシルの魔術の全てを知らないから気にも留めてない。それほどの力を使わなければ、あのフラウロスって女の子に勝てなかったってことなんだろうな。

『創世結界
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