『第五次世界大戦』の部
レクエムの章
第六話『外付け能力と強制覚醒装置』
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軍事都市アライアより、北西に約7kmの位置に森があった。アライアの外にある緑豊かな森。自然保護区に指定されていて、普段は進入禁止だが、今だけは例外だろう。
森の中に二つの人影があった。
小鳥遊と泰河だ。2人とも相も変わらずアサルトライフルを持つ。
泰河の叱咤激励を受け、立ち直った小鳥遊は、
「泰河。恵奈達はもう榊町に着いたかな……?」
「どうだろうな……。恵奈の事だ、心配いらねぇだろ」
「そうだな……」
小鳥遊が歩みを止め、後ろを振り向く。
「それに、今は自分達の心配をした方が良いみたいだな!」
小鳥遊に遅れて泰河が振り向く。
「ん?」
小鳥遊と泰河の視線の先には……!?
「あり……!?」
泰河は間の抜けた顔をしている。
だが、小鳥遊は活き活きとした顔つきだ。
小鳥遊は、泰河の「誰もいなくね!?何だったの今の?」という疑問を取り払うように言う。
「尾行されてる……2人か……」
「嘘だ!俺は全く気づかなかったぜ!?」
泰河がアサルトライフルを構える。
「隠れてねぇで出て来いよ!今なら相手してやるぜ!」
小鳥遊はそう叫ぶと、アサルトライフルを構えた。
「ばれてしまったようでは、仕方ありません」
どこからともなく聞こえてきた声。
小鳥遊から2、3m離れた木だ。
そこから1人の男が現れた。痩せていて、ヒョロヒョロした身体つきに、インテリ系の香りを放つ眼鏡。
その男は、場違いな白衣を着て、場違いな薄ら笑いを浮かべている。
男の後ろには、マントを羽織った背の低い人がほっそり立っている。
博士っぽい男が言った。
「私は量産人型能力兵器C−110です。ちなみに、この”C”というのは型を表していて、”110”とは同じ型の兵器に振られた番号です。つまり私は、C型の110号機という事になります。まぁ、街には私の”兄弟たち”が展開していますがね。」
いきなり意味不明な発言をされた泰河が、
「はあ!?一気に沢山喋んなって!!こんがらがっちまうから!!」
頭を掻きむしって訴えかける。
「泰河。こいつは”クローン人間”あるいは”機械”だよ。ある一つの目的のために量産された心のない物体」
だが小鳥遊は冷静に言った。
「おお!ナイスだ偏差値68!」
と、泰河が親指を上に立てて言った。
小鳥遊が「俺の偏差値を何で知ってんだよ」と呟くが、
「あなた方には”飛んで”もらいます」
とC−110が言った。
C−110が意外に速い速度で泰河の元へ走る!
「喰らえ!」
泰河がアサルトライフルを連射する!銃弾がC−110の額にぶち当たる!
筈だった。
だが銃弾は額に当たるや否や瞬間的に消滅した。
C−110の笑みがより一層不気味なモノになる。
泰河が
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