暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep13進むか立ち止まるか〜Decide according to your heart〜
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子には心がちゃんとある。今までのやり取りだけでも十分だ。“夜天の書”さんは、生きている。

「違う・・・違う。この涙は我のものではない。これは主はやての涙だ。そう、私は道具だ、悲しみなど、感情など・・・ない」

“夜天の書”さんは頑なだった。ここまで頑固な人って見たことがないよ。それでも諦めずに説得を続けようとしたところで、今まで黙って聞いていてくれたシャルちゃんが「トロイメライ、セット」って呟いた。あー、シャルちゃん、とうとう我慢の限界を超えちゃったんだ・・・。

≪Jawohl, Meister≫

「さっきから聞いていれば、後ろ向きなことばかりウダウダ言ってんじゃない!」

シャルちゃんの怒声が響く。

「あなたが自身を道具と言い張るならそれで結構! ええもう結構よ! でもその所為ではやてが死ぬとしても、あなたはそれで良いというわけね。あぁ、それなら確かにあなたは心のない、願いのない単なる道具だよね。なのはとフェイトの心が可哀想。あなたやはやてを想ってるのに、結局無駄だったわけだ」

「〜〜〜っ! 貴様に何が解かる!? 私が一体どれだけこの優しき主の幸せを願ったか! そんな願いすら叶えられず、自らが愛しき主を殺めるこの絶望が――・・・っ!?」

シャルちゃんの言葉を聞いた“夜天の書”さんが怒鳴った。でもそれに気付いた“夜天の書”さんは、自らの言葉に驚愕している。

「やっぱり心が、願いがあるじゃない。それなのに自分を道具なんて言わないで。信じてあげて、あなたの(はやて)を、きっとあなたの想いに応えてくれるから」

シャルちゃんは優しい表情と言葉で“夜天の書”さんに語りかける。

「そうだよ! はやては優しい子だからきっと大丈夫!」

フェイトちゃんもそれ続いて説得に移る。でもそんな時に大きな地震が起きた。いろんな場所から炎と水晶、それに何かの触手のようなものが突き上げてきた。“夜天の書”さんが周囲を見渡して「暴走、か・・・いつもより早くなってしまったな」って零した。

「暴走が始まれば、私の意識も消えてしまうだろう。そうなれば、最早この身は止まることを知らない。ならば、完全に消えてしまう前に、主はやてが願いを叶えて――」

「まだそんなことを言うか愚か者!」

シャルちゃんや私たちの言葉は届かなかったのかな・・・? ううん、きっと届いてる。でも今さら止まれないとか思っちゃってるんだ。“夜天の書”さんが軽く手を払うと、待機していた短剣が一斉に私たちに向けて放たれた。

――我が心は拒絶する(ゼーリッシュ・ヴィータシュタント)――

シャルちゃんが私たちを囲うように幾つものシールドを張ってくれたおかげで私たちは無傷。着弾によって起きた煙の中から、「氷槍断罪」っていう“夜天の書”さんの
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