暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep13進むか立ち止まるか〜Decide according to your heart〜
[2/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んは“闇の書”さんの方へと視線を移した。

「ルシルの魔術も使えるということは、私の魔法だけじゃなくて魔術も使えると見た方がいいかもしれない。ねぇ、ユーノとアルフに、アリサ達の方を任せたいんだけど」

「うん、そうだね」

「うん。私も賛成」

私とフェイトちゃんは、ユーノ君とアルフさんにアリサちゃん達を守って欲しいとお願いした。これでアリサちゃんとすずかちゃんの方は大丈夫だと思う。あとは“闇の書”さんをどうにかするだけ。
とそこに、エイミィさんから通信が入った。クロノ君からの伝言で、はやてちゃんに投降と停止を呼びかけるように、って。それが“闇の書”さんは止めるための手段なんだよね、やっぱり。

「あの、はやてちゃん、それに闇の書さん、止まってください!」

その“闇の書”さんがいつの間にか近付いてきていて、私たちを空から見下ろしていた。

「よく聴いて。何か勘違いしてるみたいだけど、シグナムやヴィータ達を傷つけたのは、この子たちじゃないの。別の誰かが変装してたの」

シャルちゃんが私とフェイトちゃんを庇うように前に出て、“闇の書”さんに話しかけた。

「我らが主は、自分の愛する家族を奪ったこの現実が悪い夢であってほしいと願ったのだ」

それを否定できない。もし私がはやてちゃんの立場だったら、きっと同じことを思う。家族を誰かの手によって奪われたなら、夢であってほしい、受け入れたくないから逃げ出したいって。

「我はただ、主の願ったその思いを叶えるのみ。そして、主には穏やかなる幸福に満ちた夢の内で、安らかなる永久の眠りを――」

「待ちなさい、夜天の書!」

「っ! もう遅いのだ。その名で呼ばれようとも、私は止まれず、主の願いを叶えるだけだ」

シャルちゃんが“闇の書”じゃなくて“夜天の書”って本当の名前を呼んだ。すると“夜天の書”さんが初めて揺らぎを見せてくれた。機械的な感じだったんだけど、人間味が出たっていうかそんな感じ。そうだよね。呪われた名前じゃなくて、本当の――とても綺麗な名前で呼ばれたいよね。

「分からず屋め。願いを叶えるだけ? そんな願いを叶えて、はやては本当に喜ぶって思うの!?」

シャルちゃんが怒鳴る。だけど“夜天の書”さんは答えない。シャルちゃんは持ったままだった“キルシュブリューテ”を消して、ゆっくりと“夜天の書”さんに向かって歩き出す。“夜天の書”さんはそんなシャルちゃんから少しずつ離れて行こうとする。

「解かるよ、大切な人を失った悲しみを受け入れられなくて、夢に逃げ出したいって思うのは。でもね、その選択はダメなの。私、酷なこと言ってるって解かる。はやてはまだ幼いもんね」

本当の家族も、新しい家族も居なくなったはやてちゃん。もうこの時点で私は偉そうなことを言
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ