T:Blue Rust Machine armor
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う名が、頭上に表示されていた。
名の通りと言うべきか、武器も本体もこの大森林にはとても似合わない機械的なデザインだった。
武器を含めて蒼錆色以外の他の色が無く、差し詰め“本格的に色を塗ろうとしたけれど、面倒くさくなったので一色で塗った”様な感じと言った方がいいだろうか。色の濃淡はあるが、色の変化はそれだけである。
「なぁ、あいつのレベル……幾つだ?」
「……わからん……だが少なくとも、“体力は低いがレアアイテムを落とす”……と言ったタイプには見えないな」
「本格的に不味いわね……皆逃げる準備を!」
「は、はい!」
彼等一同、“転移結晶”を取り出して近い街へとワープしようとした―――が、しかし、予想外の出来事が起こる。
その騎士は徐に武器を放り投げると、彼等に恐るべき速さで近寄り“転移結晶”を奪い、砕き潰してしまったのだ。
「んなっ!?」
驚きのあまり唖然とする彼等に、騎士は容赦のかけらもない殴打を叩き込む。余りの威力に、四人とも後ろに吹き飛んでしまった。
「がふっ……!? …み、皆大丈夫、か!?」
幸いな事に、全員のHPバーは残っていた。だがしかし、全員が危検域でもあり、油断できない状況である。
(まずい……このままじゃ全員死んじまう!)
少年プレイヤーがそう思ったのと同時、降ってきた剣を掴んだ騎士が、一番近い相手に狙いを定めた。
騎士の目線の先に居る者……それは少女プレイヤーだった。
「!? ひっ……!」
「に、逃げろぉ!!」
あらん限りの声を使った少年の叫びむなしく、騎士の件は少女に振り下ろされ――――
なかった。
それだけではない。騎士の姿も、何時の間にやら消えていた。
「……助かった…のか?」
「わからん」
首をかしげる彼等だったが、まずは気絶している少女プレーヤーを介抱しようと、彼女の元へ向かうのだった。
これが全ての始まりだという事に、彼等も、そしてほかのプレイヤーも気付く事はなかった。その出来事がアインクラッド全体に関わる事になるなど、このゲームの制作者“茅場晶彦”でさえ予想しなかったことであった……。
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