暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep12神器統べる王の世界〜Creation of the world〜
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生したことで遠くに聞こえるのだろう。視界が赤い。それは血涙を流しているから。体中が痛い。それは魔力が荒れ狂っているから。それらは俺に許されている制限を超える魔力を使用していることへのペナルティ。血涙を袖で拭い去り、頭を振って無理やり意識を集中させる。
「そうだ。ようこそ、フラウ。我が世界の1つ、
聖天の極壁
(
ヒミンビョルグ
)
の中へ」
ここは俺が有する4つの創世結界、その内の失敗作である“聖天の極壁ヒミンビョルグ”の中。地平線の彼方まで続く天地を覆い隠す黒い雲は中心に向かって渦を巻き、狭間には輝くルーン文字が舞っている。唯一の明かりは地平線の果てに輝く曙光のみ。雲が照らされて微光の絨毯となる。
度々ノイズのようなものが走る。それは不完全な状態で放置された術式ゆえの現象。本当なら“宝庫”や“居館”に取り込みたかったが出来なかった。現実に展開するのではないから出来ると思っていたが、それも制限されていたのだ。
――
瞬神の飛翔
(
コード・ヘルモーズ
)
――
背に展開している12枚の剣翼アンピエルを僅かに分離させ、さらに薄く細長いひし形の光翼を10枚展開させ、計22枚の翼とする。上級術式の中で唯一制限を解放された、俺を空戦の覇者と謳わせた術式だ。
「空戦形態、ですね。スピード勝負ということですか」
フラウロスが笑っている。だったらその余裕を根こそぎ捻り潰してやる。彼女の周囲に身長を軽く超す巨大な竜巻の弾丸がいくつも現れる。ならばその全てを残さず喰らい尽くそう。
――
殲滅せよ汝の軍勢
(
コード・カマエル
)
――
背後に待機させるのは、威力を保ったままでの最大展開本数である2千、その倍の4千の槍の軍勢。質より量を選んだために出来ることだが、本来の威力の3分の1程度しかない。
「ジャッジメント!!」
射出するための号令を下し、フラウロスへと向けて100本ずつ放つ。放つタイミングと速度を変更してさらに2百、続けて5百、千と連射していく。フラウロスはそれを回避しては、待機させていた竜巻の弾丸や魔力を纏わせた手で打ち落としていく。それでも少しずつだが掠り傷、直撃によって貫かれたりしている。だが、すぐそばから治るために、さほどのダメージにはなっていないようだ。
(量より質にしておけばよかったか?)
「さすがですね、ルシリオン様・・・!」
――
破滅誘う爆風
(
フス
)
――
やはりと言うべきか。フラウロスにはまだまだ余裕があるらしい。飛び交う槍の軍勢を回避しながら、竜巻状の砲撃を放ってきた。
――
削り抉れ汝の裂風
(
コード・ザキエル
)
――
それに対処するためにこちらも別の魔術で迎撃する。螺旋軌道を描く蒼と緑の竜巻砲撃が真っ向から衝突する。そのどちらも消える前に、フラウロスが俺へと接近してきた。目の
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